とりあえず思いつく本を挙げておきます

母になっても読書は日課。本の記録と紹介のブログです。(3ヶ月以内に出版されたものを「新刊」、概ね半年以内に出版されたものを「準新刊」としています)

2018年8月の読書7冊

今月は、とある日曜日に突然パソコンが壊れまして(泣)
メーカーのサポートセンターに問い合わせたら予想通り修理ができない故障だったため、急きょ翌日にパソコンを買いに走りました(泣)

core i7の入った国内メーカーのwindows10を買いましたよ~。
やっぱり予定外の買い物とはいえ、せっかく買うならスペックは妥協できない。

初めてSSDの入ったPCを使いましたが、とにかく速い!!
タッチパネルのパソコンも初めてで、スマホみたいで使いやすい!

しかし急に十数万円の出費は主婦の財布には痛いです…(号泣)
一応ささやかに働いていますが、予定外の出費で手持ちが寂しくなったので、今月分は予定より仕事のピッチと収入額を少し上げることにしました(泣)

しかも以前のパソコンで使っていたソフトのアップデートやライセンス移行がスムーズにいかず、その作業のためにかなり時間を費やしてしまい。
今月の読みたかった本のうち2冊に手をつけられませんでした。


(以上、泣き言でした。)


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感想はまた別の機会に書けたらいいなと思います。


①キム・エドワーズ『メモリーキーパーの娘』

メモリー・キーパーの娘

メモリー・キーパーの娘



森博嗣『血か、死か、無か?』



森博嗣『天空の矢はどこへ?』



森博嗣『孤独の価値』

孤独の価値 (幻冬舎新書)

孤独の価値 (幻冬舎新書)



⑤橋本紀子 他『教科書にみる世界の性教育

教科書にみる世界の性教育

教科書にみる世界の性教育



⑥学研プラス『5分後に意外な結末』

青いミステリー (5分後に意外な結末)

青いミステリー (5分後に意外な結末)



⑦エレン・『ささいなことにもすぐに「動揺」して
しまうあなたへ』

ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。 (SB文庫)

ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。 (SB文庫)

ちびまる子ちゃんと私

私が初めて買った雑誌は、「りぼん」でした。
テレビで毎週欠かさず観ていた、大好きだったちびまる子ちゃんの下敷きが付録でつくと聞いて、お小遣いを握りしめ、ドキドキしながら友達と近所の書店に行ったことを今でも覚えています。

そこで少女マンガのキラキラした雰囲気に出会い、ひとつ新しい世界を知ってしまったような気持ちになったものです。
あれは小3の5月でした。

テレビでちびまる子ちゃんのトリコになった小2の頃には、「あと少しでまるちゃんの歳に追い付ける!」と待ち遠しく思っていました。
けれどいつの間にかまるちゃんの学年に追いつき、お姉ちゃんの学年さえ越えて、更には自分も姉妹の母となっていました。

妊娠中にはさくらももこさんのエッセイを読み漁り、特に『そういうふうにできている』には大変勇気付けられたことが忘れられません。

そういうふうにできている (新潮文庫)

そういうふうにできている (新潮文庫)

長女は現在小1。
小学校入学時には「あと2年でまるちゃんに追いつける」と、喜んでいました。

年月が流れるのは早いものです。



何がきっかけかは分かりませんが、娘たちも気付けば『ちびまる子ちゃん』の大ファンになっていました。

幼稚園のころから毎週欠かさずアニメを観て、まるちゃんのマシュマロを買えば大喜びしていた娘が、折しも今月ついにまるちゃんのコミックデビューを果たしました。
面白い場面があると声をあげて笑い、いちいち「お母さん見て見て!」と追いかけてきます。

ついさきほども昨日録画したアニメを観て、まるちゃんに釣られて「宇宙人はいるか?いないか?」議論をしていました。
枕元には読みかけのコミックを伏せたまま眠ってしまい、後から気付いた母は「だらしない!」と呆れました。



こんなふうに私たちの日常では、所々にまるちゃんがいます。
つい先程まで、一緒にいたような感覚です。

さくらももこさんが既にこの世から旅立たれたなんて、とても信じられないし受け入れられません。

けれどそれと同時に、長きにわたり愛されてきた、そしてこれからも愛されていくであろう「ちびまる子ちゃん」を遺してくれたことに、感謝と羨望が入り交じった気持ちにもなります。

少しマヌケで呆れつつも、優しさがあるまる子は憎めません。
ギャグセンスの光る笑い話もあれば、人情味あふれホロリとくる話しもありました。
昭和から平成、次の時代を控えながらも愛され続けるのは、等身大のキャラクターのよさや、どこか懐かしくも身近な生活風情に共感ができるからだと思います。

そしてコミックやアニメだけでなく、エッセイなどの作品からは、さくらももこさんのユーモアや温かいお人柄が溢れ出ていました。



さくらももこさんのご冥福を、心からお祈りします。
そして輪廻転生があるとすれば、来世でも面白い作品を描いていただき、私もまた出会えたらいいなと思います。


娘たちが寝る直前まで読んで大笑いしていたのは、こちら『ちびまる子ちゃん』12巻でした。

波頭亮『AIとBIで人間はいかに変わるのか』

波頭亮『AIとBIで人間はいかに変わるのか』を読みました。

AIは人工知能のことで、自ら学んでどんどん賢くなっていくという特性があり、あらゆる点で人間の能力を越えるのではないかと言われています。
BIとは「ベーシックインカム」のことで、労働の有無に関わらず、生きるために国民すべてが無条件に受け取ることのできる最低限の収入のことです。


本書の内容をザックリまとめてみます。


【1章 AIについて】
AIのこれまでの歴史について触れながら、今後どのように進化していく可能性があるか紹介されています。
またAIの強みと弱点を挙げながら、AIをどう活用していくべきかについても考察しています。

AIが苦手なのは、身体ベースのマルチタスク、直感/直観型の作業、クリエイティブ要素のある制作など。
ということで、情緒や身体性が必要な仕事はやはり生身の人間の得意分野として譲れないものとなりそうです。


【2章 BIについて】
BIの仕組みとメリットが紹介されています。
AIに仕事を取られてしまっても社会の誰もが食べていけるように、BIはこれからの社会に必要なものなのだそうです。

BIの長所は
①全員が無条件で受け取れるシンプルさ
②運用コストが少ない
③恣意性が入らない
④働くインセンティブが失われない(働いたらBIとは別に報酬を得られる)
⑤個人の尊厳を傷つけない
という点です。

BIは「働かない人(フリーライダー)を増やすのではないか?」とか「財源を確保できるのか?」との観点から、導入に抵抗があるのが一般的な世論のようですが、これについては解決案が明記されていました。

これほど良いことづくめのBIがなぜ実現しづらいのか、その理由も問題点として具体的に述べられています。
他にも民主主義・資本主義の特性を踏まえた上で、日本のみならず先進諸国の例なども取り上げられています。


【3章 AI+BIと人類】
AIとBIが台頭した社会で、人間の暮らしがどう変わり、どう生きていくべきかを考察しています。
仕事の多くがAIにとられ、BIで食べていけるようになったら、当然働くことの意味が変わります。
そんな中で私たちは、人間らしく心身ともに豊かに生きられるための能力、、、つまり人生で打ち込めることを一人ひとりが見つけなくてはならないということです。



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AIは概ね知っていることばかりだったから良いとして、BIについては基礎的なことを本書で初めて詳しく知ることができました。

生活保護の不正受給者の問題などを聞くたびに、「働かざる者食うべからず!」と憤りを感じていた私です。
BIについても「働かなくても全員がお金をもらえるなんて!」と抵抗がありました。

けれど生活保護などとは当然ながら根本的に違うのですね。
つまりこの世に生まれてきた時点で、貧富の差は関係なく、誰もが食べて行けることを保障されている状態がBIという制度なのです。
これは人類史上で貨幣経済が生まれて以来の、経済の在り方そのものの大きな大きな転換とも感じました。

ただ、ひとつ言えるのは、人口増加や経済格差、環境破壊や戦争などあらゆる点で行き詰まった現代社会では、社会システムのどこかを根本的に変えなくてはならないということです。
BIの試験的導入で成功していることや、経済学各派が揃ってBIを推していることなどから、ここはBIを試してみる価値があると思うのです。

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AIが仕事をある程度してくれて、自分が食べることに困らなくなったら、これはある意味「人類の存在する意味」や「人類はどこへ向かうのか」ということをこれまで以上に問われることになるかもしれません。

筆者も本書で述べていますが、人間は働かずに食べて行けるようになったら、怠惰になるよりもむしろより有意義な活動や生き方を求めるようになるのだそうです。

AIとBIが活用される世の中がユートピアになるのかディストピアになるのかは、まさにこれから現代人が正しい認識をもって何を選択していくか、分岐点に差し掛かっているのだなと危機感を抱くことができました。
当然ながらAIもBIもメリットが大きいぶん、使い方を誤ると人類の存続さえ脅かしかねない…諸刃の剣となるでしょう。

森博嗣『孤独の価値』を読んで~自分の「孤独」を振り返る

私が中学生だったとき、同じ学年の別のクラスに、G.T.という女子生徒がいました。
はじめ私は直接の関わりがなかったのですが、色白で華奢で綺麗な子だったので、なんとなく目立つ存在でした。
更に彼女は、やたらグループで群れる女子とは対照的に、いつもどんな時も独りでいたのです。

教室移動やトイレの時も、体育や行事など集団活動の時もいつも独りで、笑ったところさえ見たことがありません。

噂に聞くところによると彼女は、小学生時代からイジメられていて、ハブ(仲間外れ)が定着しているようでした。
ですが本人は飄々としています。

あるとき選択授業のグループ分けというちょっとしたキッカケで、私はG.T.と話すようになりました。
陰がある暗い子という勝手なイメージでしたが、彼女は拍子抜けするほど「普通」でした。
相手の目をきちんと見て、面識の有無や男女の分け隔てなく淡々と会話ができる子でした。
かといって人に媚びるところもないのです。

後から実際のところを知りましたが、彼女は「必要以上にベタベタしたり、気に入らなければハブにしたり、そんな友達関係なら必要ない。学校は勉強しにきてるんだから、邪魔されたり危害を加えたりされなければ別に構わないし、こちらからは関わらない。」と割りきっていたのだそう。

私はG.T.のサッパリした考え方がとてもカッコいいと思いました。



現在、夏休み真っ最中です。

世間の多くの人は連日のように友達やファミリーと遊んだり、親戚で集まったり賑やかな場所に出掛けたり、楽しいバケーションを謳歌しているようですね。
会話の中で聞いたりSNSを通してだったり、ニュースなんかからも雰囲気で伝わってきます。

もちろん私も、友人知人に誘われて賑やかに過ごしたり家に遊びにきてもらったりすることは、全くないわけではありません。
友人ファミリーとBBQやキャンプを楽しむこともあれば、遠方(飛行機や新幹線の距離)から泊まりにきてくれる友達も全国にいます。
旅行にもよく行くほうかと思います。

でも、基本的には誰にも会わずに独りで、もしくは家族でひっそり静かに過ごすのが、性に合っているんですよね。
最近ではママ友なんかは適度に距離を置いていて、深入りしないようにしています。


更に今年は家でやる仕事が比較的多くて、気づけば独りで黙々と没頭していることに気付きました。
お盆で世間は楽しそうだけど、これってなんだか孤立しているみたい?これって寂しいことなのかな?と、ふと考えてしまいました。

そしてG.T.と自分の青春期のことをボンヤリと思い出していました。
私も結局、必要以上にベタベタしたりワイワイする時間や関係は、そこまで求めずに過ごしてきたのです。



森博嗣さんの『孤独の価値』を読みました。

孤独の価値 (幻冬舎新書)

孤独の価値 (幻冬舎新書)

森先生は現在、都会の喧騒を離れ、ほとんど人と会わずにヒッソリと暮らしているそうです。
買い物もネットだし、何年も公共交通機関を利用していないし、たった独りで趣味と仕事と研究に没頭していて「孤独」ですが、それがとてもたのしく幸せな暮らしなのだそう。

彼は本書で、次のようなことを主張しています。

・メディアやネットの影響などから、世間は「賑やかで楽しいのは良いこと」「孤独で寂しいのは良くないこと」のような風潮があるが、本当にそうだろうか?

・確かに人間が寂しさを厭うのは本能的なものかもしれないが、現代では一人になっても生きていくことはできる。

・そもそも「孤独」は人間だけにある崇高な概念。孤独や寂しさの中で人は思考したり何かに耽ったりできるし、芸術が生まれたりする。「わびさび」という美意識も「寂しさ」からきている。

・たった独りで何かに没頭するとき、孤独の寂しさよりも、本物の楽しさや感動を味わうことができる。現代人はもっと「孤独」の価値に目を向けるべきだ。


他にも「賑やかな楽しさ」と「孤独の寂しさ」をサインカーブとコサインカーブの振れ方で説明されていて、双方の関係を相対的にとらえているのが独特です。

この本は、私は概ね賛同できることが多い内容でしたが、どちらかというと「友達も知り合いもいるけれど、あえて一人でいることを好む」「まわりのしがらみから離れて一人になりたい」というような人向けかなと思いました。
「友達も肉親もいない」「自分で稼げなくて引きこもり」という、本当に社会から取り残された孤独な人には何の救いにもならないと思います。



結局「孤独」に価値が生まれるのは、「いざとなれば頼る人や親しい友人はいるけれど、自分の信念や生き方のために、好きで一人でいる人」の場合なのかなと思いました。

だからG.T.も、毅然としていてかっこよく見えたのかなと改めて振り返ります。
だから私も一人でいても焦ったことはないのかなと気付きました。



ところで私は、世間で忌み嫌われている「孤独死」って、むしろ理想的な最期ではないかと思っています。
そしたら森先生も「孤独死尊厳死」との言及をされていて、非常に嬉しく頼もしく思いました。

小学1・2年生の課題図書4冊~娘の感想

珍しく2日連続でブログ更新することができました(^^;




小学校初めての夏休みを迎えた娘が、読書感想文を書くと意気込んでいました。
まずは全国統一の課題図書を4冊、張り切って読んでいました。
もちろん私も自分で読みました。

なにぶん一年生なのでまだまだ薄い感想ですが、本人なりに色々感じたことがあるようです。

簡単なあらすじも書きましたが、その後に娘が実際に口で語った感想を、箇条書きで記録してあります。
会話に出てきた言葉を適宜母が要約しています。

もしかしたらネタバレと感じられる言葉があるかもしれません。


①『ルラルさんの だいくしごと』

ルラルさんがはしごで家の屋根にのぼり修理をしていたら、動物たちがはしごを持ち去ってしまいました。
屋根に取り残されたルラルさんは困ってしまいました。

・動物たちがはしごを持っていってしまって、ルラルさんはとても焦ったと思う。
・でもはしごで電車ごっこをするなんて、動物たちは無邪気でなんてかわいいんだろうと思った。
私なら怒る気持ちにならないかもしれない。
・屋根から降りられなくなったおかげて、ルラルさんは夕焼けを見ることができた。私も夕焼けとか夕方に散歩するのが好きだから、はしごがなくなったおかげでルラルさんはかえって良い時間を過ごせたと思う。屋根から見る夕焼けはきれいだろうな。



②『がっこうだって どきどきしてる』

こどもたちが来ることを用務員さんからきいて、ドキドキしている「がっこう」くん目線のお話です。
学校に行くのを嫌がる女の子がいて戸惑う「がっこう」ですが、ちょっとした出来事がきっかけで、こどもと学校の距離が縮まっていきます。

がっこうだって どきどきしてる

がっこうだって どきどきしてる

・給食を食べる男の子の場面で笑ってしまった。
・私の小学校はこの絵本の学校よりも大きいし子供も多いので、うちの「がっこう」は入学式にはもっともっとドキドキしていたと思う。でも毎日学校に子供が来るから、そのうち慣れてきて、自分も友達になったつもりでいるかも。
・だけど休み時間に「がっこう」は子供たちと一緒に遊べないし、皆が帰ったあとや休みの日は独りぼっちで、淋しいと思う。
・この前となりのクラスの窓ガラスが割れたので、私の「がっこう」は体の一部が壊れて痛かったはず。学校って子供がいて賑やかでたのしいこともあるけれど可愛そうなこともある。大切にしてあげなきゃなぁ。


③『なずずこのっぺ?』

独特の昆虫語で物語が進んでいきます。
虫たちとひとつの植物を、定点観測の視点で時間の移り変わりと共に描かれています。
昆虫語は意味不明なはずなのに、絵から文脈や感情を読み取れるのがこの作品の魅力のひとつだと気付かされます。

なずず このっぺ?

なずず このっぺ?

(昆虫語の滑稽さと絵のインパクトが強すぎて、うちの娘はストーリーを理解して味わうところまで到達できませんでした。)
・「なずずこのっぺ?」って意味が分からなくておもしろい。虫たちは本当にこんなふうに喋っているのかな?
・私たちが虫の言葉の意味が分からないのと同じで、虫も人間が何を喋っているのか分からないんだと思う。でも、怖がってるとか怒ってるとかは何となく分かってるかもな。
・イントネーションを変えたり、声色を変えたりして読むだけで、虫の気持ちが変わったみたいに聞こえる。(※イントネーション・声色という語彙は使っていません)



④『きみ、なにがすき?』

あなぐまは自分の庭に、どんな野菜畑を作ろうかと迷っていました。
友達の好きな喜ぶものを作ってあげようとひらめきましたが、それらは皆すでに持っていて、諦めざるを得ませんでした。
へそを曲げたアナグマくんでしたが、もっと別のことを思いついたようです。

きみ、なにがすき?

きみ、なにがすき?

うちの娘はこの本をとても気に入りました。
怒ったアナグマに対してハリネズミが言ったある言葉で、感動して泣きそうになったそうです。(ピュアだ…笑)
そして読書感想文はこの本に決め、一生懸命書いていました。

本人が初めてきちんと書いた思い入れのある作文ですが、まだ先生にさえ提出していないので、箇条書きであっても感想はまだちょっと控えておこうと思います(^^)

2018年7月の趣味の読書9冊と簡単な感想

7月は仕事のための資料の読み込みが6冊と、夏休みの子供達と共に児童書を大量に読むことが増え、自分の読みたい本があまり進みませんでした…。

それでも数えてみると、なんとか9冊(雑誌と漫画含む)は読んでいたので記録しておきたいと思います。


波頭亮『AIとBIはいかに人間を変えるのか』

AI(人工知能)とBI(ベーシックインカム)と人間社会の未来の真面目な話です。
学術書に近いノンフィクションかな。

かなり内容が濃くて勉強になりました。

これまでBI反対派だった私が、珍しく本の影響でガラッと意見を変えてBI賛成派になってしまったので、この本の感想は改めて書きたいと思っています。


②WRITERS PUBLISHING『毎日読みたい365日の広告コピー』

毎日読みたい365日の広告コピー

毎日読みたい365日の広告コピー

広告のキャッチコピーって、たった一言でハッとさせられたり考えさせられたり心を揺さぶられたりすることがあります。
コピーライターは魔術師のようです。

そんな秀逸な広告コピーが365本収録されており、季節や時期に合わせたチョイスがしてあるので一年中パラパラとめくっては楽しめるというコンセプトの本です。
月によって紙の色が異なっていたりして、装丁もお洒落です。

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ひとついうと、広告コピーは文字だけで見るのと、ビジュアルと合わせて見るのとでは、かなり印象や受け取り方が変わってしまいます。
きっと言葉そのもののもつ力に主眼を置いて本書は作られたと思いますが、やっぱりビジュアル含めた広告そのものを見てみたかったなぁというものが多くありました。


ちなみに私が好きだったのは、

あんたが生まれたことが
いちばんのニュースやった
日があるんよ。

(2008年 福井新聞社)


自分がちっぽけに思えたら、
その旅は、きっと正しい。

(2014年 H.I.S.)


入学式。
どこかに、一生の友達が
座っている。

(2014年 立教大学)


ふだんを変える。
それがいちばん
人生を変える。

(2010年 本田技研工業)


文句も知性があれば、提案になる。
(2013年 朝日新聞社)


一方で一番好きになれなかったコピーは、

逆風も、逆から見たら順風だよね。
(2010年 タフマン/ヤクルト本社)


森博嗣すべてがFになる』』

すべてがFになる (講談社文庫)

すべてがFになる (講談社文庫)

ある研究所の密室で、起こるはずのない殺人事件が起こります。
描写とトリックが上手すぎて、背筋が凍りつきました。

本書は森先生のデビュー作で、今読んでいるWシリーズのために読みました。
デビュー作でこんな凄い作品を出して、いきなり受賞しちゃうなんてやっぱり凄いな。

密室で殺人が起きて犯人を探す…という小説ではありますが、普通のミステリーとは一味も二味も違いました。
天才vs天才対決という構図がまず独特で興奮します。
それから、登場人物の「存在」自体を根こそぎ疑わなくてはならない謎解きは、他のミステリーにはなかなかないと思いました。

森先生は「理系ミステリー」という独自のカテゴリーに分類されていますが、確かにトリックに理系の考え方も使われています。
だけど勿論、理系でなくても読めますよ。

理系ではない私ですが、「16進法」という話が出てきた瞬間に「すべてがFになる」の意味にピンときました。



④プレジデント 7/16号』

PRESIDENT (プレジデント) 2018年7/16号(山中教授の自分を変える)

PRESIDENT (プレジデント) 2018年7/16号(山中教授の自分を変える)

前回の記事に書きました。


⑤プレジデント 7/25号』
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資料術というより、プレゼンの特集に興味があって買いました。
プレゼンのスキルって、いわゆる"プレゼンテーション"の場面以外にも必要になってくるものだと常々感じています。

自己紹介も然り、講義や授業をするときも然り、会議でのちょっとした発言も然り、商談はもちろんのこと面接で自分を売りこむときでさえ、他者に何かを伝えて賛同や理解を得たいときにはプレゼンですよね。

ということで、定期的にプレゼンスキルについては勉強したくなります。


森博嗣女王の百年密室

ある謎のユートピアで起こる殺人事件。
でも私たちが暮らす社会通念とはかなり異なっているので、人の死や事件の扱われ方が独特の展開を見せてくれます。

「死とは何か?」「肉体とは何か?」「神とは何か?」「善悪とは何か?」といった哲学的な問いが、自然にストーリーに混ぜ混まれているのが森先生らしいです。

これは下手に感想を書いてしまうと、作品の価値を下げてしまいそうなので書きません。

何よりこのファンタジーのような世界観と、人間の醜悪のギャップが、とてつもなく好きでした。



⑦真弓定夫ほか(監)『いつか母になるために』』

一言でいうと、味噌は身体に良いという話を分かりやすく教えてくれる学習コミックです。

世界三大スープに日本の味噌汁が入っていないことが納得できない私、
もちろんほぼ毎日朝と晩は味噌汁がレギュラメニューです。

味噌が身体に良いことは日本人として知っていましたが、わざわざこのように本にして啓蒙しなくてはいけないというのは、日本の伝統的な食文化が継承されていないことの表れだと感じて残念に思います。

ただ、私はあらゆる食材に様々な効用はあると思っているため
味噌汁ばかりを取り沙汰して「味噌汁を飲もう!」という姿勢ではなく、やはり色々な食品の利点と不足点を知ったうえでまんべんなく活用できたらと思います。



⑧真弓定夫(監)『経皮毒 ナプキン編』』

こちらもコミックで、石油資源からできた紙ナプキンにより、体内に毒が取り込まれるという警鐘を鳴らしています。
女性の生理用「紙ナプキン」だけでなく、赤ちゃんの紙おむつの話にも触れられており、女性だけでなくお子さんがいる男性や、これから父母になるかもしれない方は知っておいてもよい内容かと思いました。

「紙ナプキンや紙おむつは身体に悪い」とは広く知られるところですが、具体的にどのような害があるのかがよく分かると思います。
一方で、頭では身体や環境への害が分かっていても、利便性を優先させてしまう事情が現代社会にあることも事実です。

例えば私は産後の肥立ちが悪くて身体を壊したうえ完全なワンオペ育児の時期があり、布おむつを洗う余裕など皆無でした。
いつか紙おむつによる害が出るかもしれないと頭では分かっていても、まずは今日を生きるために必死で、紙おむつに頼らざるを得ませんでした。

クーラーだってそうですよね。
電力を利用しすぎて環境破壊につながるとは分かっていても、今クーラーを使わなかったら熱中症で命に関わるかもしれない。

このようにテクノロジーや利器に慣れきってしまった私たちにとって、先々の健康のために手間のかかる生活を選択するのはとても大変なことです。
ただ、害を知ったうえであえて便利さを選ぶのか、知らずに選択の余地がないのかは、大きな違いだと思います。


⑨柞刈湯葉横浜駅SF』』

横浜駅SF (カドカワBOOKS)

横浜駅SF (カドカワBOOKS)

改築工事を繰り返す「横浜駅」が自己増殖を始めて数百年、日本列島のほとんどが横浜駅と化してしまった。
脳にsuicaを埋め込まれた人間が管理されて生きる「エキナカ」社会と、suicaを持たない駅外の人間が分断されている。
あるときsuicaを持たない主人公ヒロトが、ある使命のためにエキナカの旅に出ることになった。
果たして横浜駅の中には何があり、何が起こるのか?


、、、というSFファンタジーでした。

幼少から高校卒業までを横浜で育ち、通学に毎日横浜駅を使っていた私にとって、とても興味のもてる設定でした。
現実でも、横浜駅はいつもどこかしら工事をしているので、なんとも面白い発想のSFだと思ったのです。

しかし、設定が生かしきれず、私には物足りないストーリーでした。
その理由は一重に、主人公ヒロトが「なんとな~く」旅をして終わるだけ…という印象を受けたからです。

エキナカの旅は命懸けのはずが、ヒロトにはそこまでの強いモチベーションがないんです。
それなのに言われるがままに目的地を決め、困難がやってきても相手から去っていくというか何となく解決されてしまう。

用意されたシナリオ通りに進み、予定調和的なラストを迎えた感が否めませんでした。
続編もあるようですが、もう読まないと思います。
期待していただけに残念です。

7/16号のPRESIDENTがとてもよかった

森博嗣先生のWシリーズに気をとられてすっかり忘れていましたが、7/16号のPRESIDENTがとてもよかったので記録しておきます。

巻頭特集は『山中教授の自分を変える』、isp細胞の山中教授とユニクロ創業者の柳井正氏の対談です。

私はこれが一番の狙いで買いました。

PRESIDENT (プレジデント) 2018年7/16号(山中教授の自分を変える)

PRESIDENT (プレジデント) 2018年7/16号(山中教授の自分を変える)

内容は自己変革をテーマに語っているんですが、やっぱり山中教授が語ると重みを増すし心に響きます。

・すごい研究成果は、じゃんけんで10連勝するような運によるものだ
・壁を取り払い互いが見える「オープンラボ」の採用
・予想と異なる結果が出たら、失敗だと嘆くのではなく「面白いことが起きているのではないか」と検証できるかどうか
・ミスショットをしたあとの反応で伸びる子供がそうでないかが分かる
(延びない子は失敗を嘆くだけなのに対し、伸びる子は、、、)
・山中教授から見た村上春樹と彼の作品について

などなど、色々「フムフム」と思いながら読みました。


まぁ要は、私、山中教授が好きなんですよね。
かっこいいです。
ファンとかミーハーな意味ではなく、isp細胞でのノーベル賞受賞前後からニュースや研究のその後を追っていると、研究者らしいストイックな姿勢や謙虚なところに強くひかれます。

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それからもうひとつの特集『脳科学で問題解決!なりたい自分になる法』もおもしろかった。

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著作権の観点からボカシで

仕事に臨むうえでの心身や環境の整え方(調え方)を、脳のシステムという観点から何人かの専門家が解説しています。

・前向きになる、すべてがうまく回り出す「毎日のルーティン」
・ムリは禁物、体力いらず「大人の筋トレの王道」

・集中力、記憶力、認知力も上がる「科学的勉強法」
・生産力6倍アップ「スーパー段取り術」
・"好き"は見た目、"嫌い"は香りで決まる「男前テクニック」


私は素人の興味程度ですが脳の話が好きで、脳ミソの略図みたいなのを見るとウズウズするんですよね。
子育てなんかでも脳の働きを意識することがあります。
(例:ドーパミンセロトニンを使い分けて好き嫌いなく何でも食べる子に育てている、進んで勉強する子になるようにミラーニューロンに訴えるなど。笑)

なので、「これをすると脳のここが働く!」みたいな話は、新たな発見や復習になりました。
きっと有能な方々は脳なんて意識せずとも効率的な仕事ができるのだと思いますが、私のような要領のよくない人間はただ漫然とこなすよりも脳の働きを意識すると仕事の効率化が図れるのかもしれません。


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他にも時計の特集もたのしめました。
時計ブランドの最新の動向なんですが、「ほしい~!」とか「カッコイイ~!」とかではなく、別の意味でよかったと感じます。
持っているブランドの時計もいくつか載っていたのですが、最新のものと家にあるものを比較する視点で読んだので「やっぱり自分にとって時計はトラディショナルなデザインが一番いい」という価値観と好みを再認識し、時を刻む意味などを考えながら浸れました。


他にも小さなコラムや連載など、小記事もわりと関心のあるネタが多かったように思います。

新しく読みたい本も見つかりました。