とりあえず思いつく本を挙げておきます

母になっても読書は日課。本の記録と紹介のブログです。(3ヶ月以内に出版されたものを「新刊」、概ね半年以内に出版されたものを「準新刊」としています)

『宇宙飛行士になった子どもたち』

あらゆる面でトップレベルのエリートである宇宙飛行士がどう育てられたかという、幼少期のエピソード集です。

宇宙飛行士になるには明晰な頭脳と卓越した専門性はもちろんのこと、強靭な精神力と肉体、語学、人格…と様々な資質がそろっていることが最低条件で、志願する大勢の中からもほんの一握りの人にしかなれないことは周知の通りです。

凡人の自分の子供を宇宙飛行士のように育てたいなんて、そんな大それたことは全く思いもよりません。
けれど私自身が宇宙と宇宙飛行士に強い憧れを抱いているので、純粋に宇宙飛行士の生い立ちに興味をもって読んでみました。

宇宙飛行士になった子どもたち どんな家庭でどう育てられたか?

宇宙飛行士になった子どもたち どんな家庭でどう育てられたか?

本書は日本人宇宙飛行士4人の親御さんへのインタビューをもとにまとめられています。

幼少期から学齢期にかけて、4名の家庭教育の中で共通していたのは、
・自然体験が豊か
・家族旅行をしている
・子供がやりたがることは何でもやらせる
・テレビは常につけっぱなし
・勉強を強要しない
・よく笑い、よく褒め、きちんと躾けた

…というような点かなと私は解釈し、どのお母さんも「普通の子だった」と口をそろえて言っていたというのが印象的でした。

山崎直子さんのお父さんの「質素を旨とすべし、忍耐と我慢を教え、飾らない謙虚さは今でも身についている」という言葉からも分かる通り、宇宙飛行士以前に人として大切なことを尊重されていたことが滲み出ている気がします。

それぞれの性格や家庭環境、細かい子育ての仕方は4人いれば4通りありますが、その根底にあるものは「堅実に生き健全に成長した」ということなのかもしれません。
その結果として、この方々は宇宙に出て偉業を為す結果となったのでしょう。

もちろん子育て本としても参考になる部分がありますが、本書はノンフィクションの人間ドラマとしても味わえます。
ある飛行士がいよいよ宇宙に打ち上げられるとき、泣きながらシャトルを追いかけたというお母さんのエピソードには私ももらい泣きしてしまいました。

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ちなみに宇宙飛行士に求められる資質は

「健康」「協調性」「英語力」だそう。
そのために取り組んで伸ばすと有効なのは
・スポーツ→丈夫な体
・理数科目→基礎的な学力
・英会話→コミュニケーション能力
・その他→自分の専門分野、チームワーク、異文化理解力

だそうです。

いつかの講座"グローバル人ざい"とかぶるところがあるかな。