『フェルマーの最終定理』
「nが3以上の自然数のとき
x^n+y^n=z^n
を満たす自然数{x,y,z}は存在しない」
17世紀の数学者フェルマーが遺したこのシンプルな定理は、300年以上もの間 多くの数学者が証明しようと挑んだにも関わらず、なかなか解かれることのなかった難問です。
- 作者: サイモンシン,Simon Singh,青木薫
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/05/30
- メディア: 文庫
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この定理の証明をしようと、3世紀にもわたり世界中の数学者たちが悪戦苦闘したドラマが本書では描かれています。
何年も何十年も一生を賭けて挑みながら、挫折して自殺までしてしまった天才さえいました。
ひとつの定理の証明のために他にも様々な定理や式を扱わなくてはならず、せっかく解決の糸口が見つかったと思っても、間違いがひとつでも見つかれば全てが泡と消えてしまうという恐ろしさ。
この簡単そうでありながら悪魔のように難関な定理が一体どのように解かれるのか…?
、、、文系の私でも夢中になれるノンフィクションでした。
これまでにも数学を巡る本は何冊か読んだけれど、数学とは深遠な美や真実を秘めた、とんでもない学問だと思います。
この宇宙には不変のものや確かなことなど何もないと思っていたけれど、否、数学だけは永遠絶対不変だというロマンを感じると同時に気が遠くなりそうでした。
「私にとって、方程式ははるかに重要です。政治は現在の問題に過ぎませんが、方程式は永遠なのですから。」というアインシュタインの言葉を彷彿とさせます。
(ジェリー・メイヤー『アインシュタイン150の言葉』1997年,ディスカバートゥエンティワン)より
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「数学なんて役に立たないもの、どうして勉強するの?」と言っていた中学生時代の私にこの本を読ませたいです。
「絶対普遍の真理や美があることを知るためだ」「芸術と同じで豊かな文化を築くためだ」「数学を解くことそのものが目的だ」「役に立たないからこそやるのだ。それが人間だ」
などなど、いろいろなヒントが得られただろうと思うのです。