とりあえず思いつく本を挙げておきます

母になっても読書は日課。本の記録と紹介のブログです。(3ヶ月以内に出版されたものを「新刊」、概ね半年以内に出版されたものを「準新刊」としています)

アイリック・ニュート『サイエンス・クエスト 科学の冒険』

文系の人こそ楽しめる科学のお話です。
といっても実験や化学式の話ではなく、私たちの生きる宇宙や地球にどんな科学的法則があるかという、ワクワクするアドベンチャーです。

このブログではまだあえて一冊もご紹介していないのですが、実は私はSF好きでして。
(宇宙だけでなく時間、医療、数学、海洋など全般好きです)

本書はジュブナイルのノンフィクションですが、SF(サイエンス・フィクション)の入り口としても、もちろん青少年だけでなく大人にとっても楽しめると思います。

サイエンス・クエスト 科学の冒険 宇宙の生命、死の意味、数の世界

サイエンス・クエスト 科学の冒険 宇宙の生命、死の意味、数の世界


内容は表題の通り
1章 宇宙の生命
2章 死の意味
3章 数の世界
の3部構成です。

私が一番好きだったのは1章「宇宙の生命」です。
我々知的生命体である人類が誕生した神秘に始まり、もし地球が少しでも環境が異なっていたらどんな生物が進化していたか?という話から、地球外生命体にまで話が及びます。

実は地球から既に、未だ出会っていない地球外生命体に向けて、メッセージが送られているという事実は一般的に知られているのでしょうか?
そんな素数や図形の暗号を使った宇宙人へのメッセージが、図版としても掲載されています。
世界トップの有識者が宇宙人との出会いのために本気で実行動を起こしているなんて、なんとも夢のある話ではありませんか。

宇宙の話は耳にタコができるほど(目がイカになるほど)これまでも本で読んできましたが、科学者や作家によって描かれ方が少しずつ異なるので飽きることがありません。

2章「死の意味」は哲学的な観点からではなく、生物学的に死とは生物にとって何なのか・どんな意味があるのかを考えるキッカケになる話です。

3章「数の世界」では身の回りの数の普遍性や神秘などを題材にしていて、お皿に隠された数の秘密(円周率)や、なぜ「1ダース=12」が世界で多く用いられているかなど、身近なところから数を考えられます。


理数系の話を冒険的に描きながらも、科学者の見解や実例の図版などを知ることができるのが、本書のよさだと思います。
一般書評にもあるように、装丁デザインのカッコよさもポイントです。

10代の多感な年頃にこの本に出会えていたら、きっと学校の理科や数学の授業でさえも受け止め方が変わったかもしれません。


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もしも月がなかったら―ありえたかもしれない地球への10の旅

もしも月がなかったら―ありえたかもしれない地球への10の旅

『サイエンス・クエスト』よりはマニアックで大人向けですが、1章の「もしも地球が~だったら」的な描かれ方という意味では、カミンズ『もしも月がなかったら』に通じるところがあります。
これはへたなSFよりずっと面白いく、私も好きな本なので貼っておきます。