正しい日本語を使いこなせているだろうか~『大人の語彙力が面白いほど身につく本』
日本人でも日本語ってなかなか難しいと思うことがあります。
でも今さら聞けなかったり、出会う機会がなければ気にもとめない言葉もあったりしますよね。
そんな日本語を「語彙力」、ボキャブラリーという切り口で紹介された本があるそうで、新聞で見つけたので読んでみました。
見出し語に対して解説はコンパクトで読みやすく、教養の部分と雑学の部分があるように感じます。
大人の語彙力が面白いほど身につく本 (青春新書プレイブックス)
- 作者: 話題の達人倶楽部
- 出版社/メーカー: 青春出版社
- 発売日: 2017/01/28
- メディア: 新書
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基本的な言葉が多いと感じる一方で、意外と分かっているようで分かっていなかった言葉もありました。
特にカタカナ語なんかは、情報社会特有の現代的な言葉も多く、知らないものや実生活で使う機会が思い付かないようなものも多かったので純粋に勉強になりました。
パソコンやスマホで誤変換される漢字の話なんかも紹介されていて、現代らしいなと感じます。
言葉の知識が増えるだけでなく、その背後の思想や文化に触れられるのは興味深いと思いました。
さて今回読んでみて1つ「へぇ~」と思ったのは、「外来語の表記にはヂとヅを使わないという公式ルールがある」ということでした。
×ドッヂボール→○ドッジボール
×チヂミ→○チジミ
なのだそうです。へぇ~。
お恥ずかしながら、知りませんでした。
「チヂミ」ってよく見かける気が。
こういった言葉の使い方は、文科省から公式に告示されているということも知りました。
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誤用の多い言葉の使い方は、一度復習しておく必要があるなと思いました。
例えば、世間ではこんな誤解があるそうです。
例1
「予算内におさまれば御の字だ」→意味
[誤]「予算内におさまれば、まぁなんとか納得できる」
[正]「予算内におさまれば、とてもありがたい」
例2
「姑息な手段で解決する」→意味
[誤]「ずるい手段で解決する」
[正]「一時しのぎの手段で解決する」
実に多くの日本人が[誤]の意味で解釈しているそうなのです。
このように、話し手と聞き手に言葉の解釈の違いがあった場合、誤解が生じるので大変な問題になる気がします。
また明らかに正誤がはっきりしている言葉もあるけれど、言葉は時代と共に変化するものなので、慣用的に間違いだとは言い切れないものもあるのが実に難しいと思いました。
本書には出てきませんでしたが、例えば「唯我独尊」という言葉などは私がいつも解釈に困る熟語です。
一般的には「自分だけを大切にする自己中心な様子」と解釈されているようですが、実は他の意味もあるそうです。
①「自分はこの世にただ一人しかいないので、尊い存在だ」
②「たった一人きりになった(誰も見ていない)時にこそ、尊い行いをすべし」
もともと釈迦だか誰かがこの言葉を使った文脈では、①の意味が本来正しいようですが、学生時代にこの二通りの意味を知り、目から鱗でした。
私は②の意味に魅力を感じるのですが、一般的には通じないだろうなというのが残念です。
話がそれましたが、言葉はまさに生きているので、知っているのと使いこなせるのは別問題な気がします。
本書は一度読んだからと言って「使いたいときにすぐ出てくる」かどうかは別かと思います。
いつも自分が使っている言葉を振り返ったり確認したりするには軽い気持ちでサラッと読める本でした。
「IT革命」=「internet technology革命」というとんでもない誤植があったので、かなり残念でした。
information technologyですよね!