とりあえず思いつく本を挙げておきます

母になっても読書は日課。本の記録と紹介のブログです。(3ヶ月以内に出版されたものを「新刊」、概ね半年以内に出版されたものを「準新刊」としています)

3月の読書11冊と簡単な感想(新刊・準新刊含む)

一冊ずつ書評を書く時間がどうしてもとれないので、今月読んだ(読んでいる)本をまとめて備忘録&ご紹介します。

次回は季節に合わせ、「桜」にちなんだとても素敵な物語があるので、ご紹介させてください。

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伊坂幸太郎『終末のフール』

終末のフール (集英社文庫)

終末のフール (集英社文庫)

8年後に小惑星の地球突撃により、地球が滅ぶことが明らかとなった。
世界中の人々が自棄を起こし、略奪や殺人、自殺などで混沌としていたが、しばらくして再び落ち着いてきた今ーーー。

仙台のとあるニュータウンにひっそりと生き残る人々の生活と生き方を描いた、全てがつながる短編集。

未来がなく「死ぬ」と分かっていても、わずかな幸せや希望を抱いて生きる人々が健気でした。
人間は追い詰められたときにその本性が現れると思うのですが、それだけではなく「人生で何に価値を見出だすか」も見えてくることが分かります。

そんな中でも、「明日死ぬと分かっていてもいつも通り生きるだけ。元々いつまで生きるつもりの生き方をしてたんだ?」というスタンスの無口なボクサーに胸を打たれました。
私も生きている限り出来ることを淡々とやり尽くす人生でありたいです。

そして実際人間(特に日本人)の大部分は、滅びる未来が分かっていたとしても、さいごまで回避する方法を諦めないで最善を尽くして生き切るのではないかと思います。

庶民の悲しい日常の中にも少しの希望を感じさせるような、重松清さんのような作風でした。



仲野広倫『世界の最新医学が証明した究極の疲れないカラダ』(準々新刊)

著者は日本人でありながら米国のカイロプラクター。
日本とは違い、アメリカでカイロプラクターは医師と同様に医療行為を行える公式のエキスパートだと知りました。
しかも医師より広くて深い専門分野があり、それを知ることができたのが本書の一番の収穫でした。

もともと本書の一つのねらいが「日本でもカイロプラクターを医師と同等に公式に認めてほしい」ということなのだろうなと見え透いていましたが、実際私も身体の不調が出る歳になったら診てもらいたいほど…。

まず「痛み」への治療が、対処療法(痛みを消すための投薬)ではなく、抜本的療法(原因となる身体の仕組みを正常に戻す)という姿勢に賛成できます。

ただ、本当に有効な新しい健康法や治療法があったとしても、それをサポートする公的な制度や資格がないと実行は難しいんだよなぁというのが歯がゆいところです。

その他については、私はエクササイズなどは紹介されていてもマメに続かないし(というか一度もやらないし笑)、結局は日々の積み重ねだとか、姿勢をただすことが大切だとか、大部分は他の健康本と大して違わない印象です。
「究極の疲れないカラダ」というタイトルとのギャップも感じました。


Mdn編集部『デザイン。知らないと困る現場の新100ルール』(準新刊)

デザイン。知らないと困る現場の新・100のルール

デザイン。知らないと困る現場の新・100のルール

デザインの実務を最近していないので読んでみましたが、新しいことは何も書いておらず当たり前の内容ばかりで復習にもなりませんでした…。

新卒でデザインの現場に出たばかりの方や、初めてデザインワークに取りかかる方に向けたハウツー本だと思います。


太田哲雄『アマゾンの料理人』(新刊)

アマゾンの料理人 世界一の“美味しい”を探して僕が行き着いた場所

アマゾンの料理人 世界一の“美味しい”を探して僕が行き着いた場所

ライトなエッセイなのですが、ここ2~3ヵ月に読んだなかで一番よかった本です。
とても面白かったし、著者の料理哲学がとても好きです。
こちらはまた改めて書評を書きたいです。


Newton 2018年1月号 『ゼロからわかる人工知能

Newton(ニュートン) 2018年 01 月号 [雑誌]

Newton(ニュートン) 2018年 01 月号 [雑誌]

AIネタに触れるたび、人類はどこへいことしているのだろう?と怖くなります。
こちらもまた改めて書評というか雑感を書きたいです。


スタニスワフ・レムソラリス

比較的ハードなほうのSFです。
これまで読んだSFの中でも上位にくる傑作だと思いました。

現在よりも科学が進歩した地球人が惑星ソラリスを発見したのですが、なんとソラリスの"海洋"が知的生命体だったのです。

一般的に"宇宙人"とか"地球外知的生命体"というと、どうしてもヒューマノイド型の「頭部と胴と四肢があるかたち」もしくは「タコみたいな火星人」なんかを連想してしまいがちですが。
そもそもそんな発想自体が狭いわけです。

地球から一歩そとに出てしまったら、我々の常識など通用しないのが宇宙です。
そんな人間のエゴをうまく扱った作品がこの小説『ソラリス』だと知り、別の意味で感動しました。

地球人とソラリスの海が互いに意思の疎通を図ろうとするのですが、我々よりも知的に発達した海がよこしたのは、地球人のように「言語」を使ったコミュニケーションではありませんでした…。
狂気の沙汰のような描写で頭がおかしくなりそうな恐怖感がありました。
でも万が一にも実際に未知の知的生命体と出会ったとしたら、こんなことが起こりうるかもしれないなとも思います。

説明的な科学理論や研究史が詳しく描写されているSFが苦手な方は楽しめないかもしれませんが、人類の身勝手さを考えさせられる深い作品です。


寺島実郎『ひとはなぜ戦争をするのか』(新刊)

進化論や生物学的な観点から「戦争」を論じたものを期待していましたが、比較的近代~現代の戦争責任や国際情勢、国家間の話が中心でした。

それはそうと、雑誌『世界』に連載されていたコーナーのダイジェストのようです。
それを知ってから、あぁなるほど確かに『世界』が扱いそうなネタだなと納得です。

『世界』は左翼の匂いがプンプンする雑誌ですが、大学の図書館で購読していたので、学生時代には毎号読んでいました。

世界 2018年 04 月号 [雑誌]

世界 2018年 04 月号 [雑誌]

ちなみに「人はなぜ戦争をするか」、私にそれを一番教えてくれた本はホーガンの『星を継ぐもの』シリーズでした。

星を継ぐもの (創元SF文庫)

星を継ぐもの (創元SF文庫)


Newtonライト『超ひも理論』2017年10月

雑誌『Newton』の別冊、『Newtonライト』というティーン向けの刊行誌があることは知りませんでした。
見開きで1つずつ見出しが発展していき、簡潔な説明とオールカラーの図解が分かりやすい!
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超ひも理論は本当にわくわくする分野ですが、私のような浅学非才の文系人間にも分かりやすくまとめられていて、へたな超ひも理論入門書を読むよりオススメです。

やはり私は4次元~9次元の未知の世界に胸が熱くなります。
高次元を扱った映画『インターステラー』をまた観たくなりました。


エラン・マスタイ『時空のゆりかご』(新刊)

時空のゆりかご (ハヤカワ文庫SF)

時空のゆりかご (ハヤカワ文庫SF)

今読んでいるところです。


星野智幸『焔』(新刊)

焔

今読んでいるところです。


今井雅子『昔話法廷』

昔話法廷

昔話法廷

今読んでいるところです。