5月の読書と簡単な感想 9冊
①エベン・アレグザンダー『プルーフ・オブ・ヘブン』
プルーフ・オブ・ヘヴン―― 脳神経外科医が見た死後の世界 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- 作者: エベンアレグザンダー,白川貴子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2018/01/10
- メディア: 文庫
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よくある「死後の世界に行って戻ってきた」人の体験記ですが、彼は非科学的なことに否定的な立場だったお医者さんです。
そんな医師が死後の世界を経験したことで、霊的な話の信憑性を上げたいということなのでしょう。
彼は「自分の体験したことを世の人に伝える義務がある」との思いから、本書を執筆したそうです。
"あの世"の描写は興味深く読めました。
ただ、私には見聞したことのただの記録のようにしか思えず、彼がこの体験を通して人々に何を伝えたかったのか大切な部分が見えませんでした。
それよりピントがズレますが、大切な人が昏睡状態になったときのまわりの辛さの描写のほうが私には生々しく伝わってきたように思います。
惰性で読みきりました。
ツンドラモンスーン The cream of the notes 4 (講談社文庫)
- 作者: 森博嗣
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/12/15
- メディア: 文庫
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森先生のエッセイです。
このシリーズはまだ読んでいなかったのですが、やはりおもしろい。
それにしても森先生って本当に天才だと思います。
・旧帝大(しかも大学院の博士課程)を出て工学博士。
これだけでも非凡なのに、
・急に思い付いて書いてみた小説でいきなりベストセラー。
・著書はすべて人気でTVドラマ化も何本かあり。
・小説はシリーズの一作目を書いた時点で次回作と次々回作までタイトルと内容が出来上がっている。
・エッセイかなんかで未来について言及した予言が実際に当たったりする。
・趣味の鉄道作りは遊びのレベルを越えて発明級。
とにかくこの方の著作数はとんでもなく多くて、実際に作品は面白いです。
③林真理子『不倫のオーラ』(新刊)
- 作者: 林真理子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2018/03/30
- メディア: 単行本
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これもエッセイです。
林真理子さんの作品は一時期けっこう読んでいましたが、たまたま新刊を見つけたので久々に読んでみました。
元々この方は劣等感コンプレックスと自尊心の塊で、女の嫌らしさを描き出す作家で定評がありますが、歳を重ねるごとに更に年々オバサンの嫌らしさが増していっている気がします。
歯にもの着せぬ持論がますます遠慮なくなったというか。
自分の裕福さをひけらかす態度に恥じらいもなくなったというか。
それでも人道的に正しいことをズバッと言っていたりするので、イラッとさせつつスカッとさせるところが流石だなぁと読み流しました。
ある雑誌のコラムのダイジェストのようで、時事ネタが多いのもよかったと思います。
2017年のネタの文庫書き下ろしなので、今読むのが旬ですね。
文体がかっこいいのは訳者のお手柄なのでしょうか。
エリスンはSF界の巨匠らしいですが、こちらの短編集はSFとホラーが混ざったような印象の作品群でした。
一言でいうならどの作品もシュールです。
残酷な描写が淡々と描かれている作品もあり、グロが苦手な私には、好きな作品と苦手な作品がかなり分かれました。
ですがこういうシュールでブラックなものが好きな読者からは評価がかなり高いようです。
誰でも心がムシャクシャして悪態をついたり、人を傷つけてみたりしたくなるときってありますよね。
けれど日常でそれを吐き出すことはなかなか許されません。
そんな人間のドロドロした汚い部分を、代わりにぶちまけてくれてスッキリさせてくれる役目も世の中には必要です。
本書はまさにそんな存在ではないかと思いました。
読んでいるだけでダークな気持ちになり、結果的にそれをカタルシスにまで昇華させてくれる作品かもしれません。
⑤栗山恭直『世界でいちばん素敵な元素の教室』(準新刊)
世界でいちばん素敵な元素の教室 (世界でいちばん素敵な教室)
- 作者: 栗山恭直(山形大学),東京エレクトロン
- 出版社/メーカー: 三才ブックス
- 発売日: 2017/11/11
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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前々回ブログ記事に書きました。
⑥江川多喜男『10分で分かる!かがくのぎもん1年生』
10分でわかる! かがくのぎもん 1年生 (なぜだろうなぜかしら)
- 作者: 江川多喜雄
- 出版社/メーカー: 実業之日本社
- 発売日: 2012/11/29
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前回ブログ記事に書きました。
⑦ニスベット『木を見る西洋人 森を見る東洋人』
木を見る西洋人 森を見る東洋人思考の違いはいかにして生まれるか
- 作者: リチャード・E・ニスベット,村本由紀子
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2004/06/04
- メディア: 単行本
- 購入: 5人 クリック: 38回
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真面目な学術書で、人は文化の違いで認知にも相違がでるという話です。
読みかけて面白かったのですが、残念ながらなんか今回この本とはタイミングが合わず途中で読むのをやめてしまいました。
読もうとすると何かしら邪魔が入るんですよね。
それで、「あ、今は読むべき時じゃないのかな」と。
そんなとき下↓の『右?左?のふしぎ』に出会ってしまい、こちらもなかなか面白くて先に読むことにしました。
⑧ヘンリー・ブランナー『右?左?のふしぎ』
- 作者: Henri Brunner,柳井浩
- 出版社/メーカー: 丸善出版
- 発売日: 2013/10/31
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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現在読んでいてもう少しで読み終わるところです。
⑨森博嗣『彼女は一人で歩くのか?』
彼女は一人で歩くのか? Does She Walk Alone? Wシリーズ (講談社タイガ)
- 作者: 森博嗣
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/10/20
- メディア: Kindle版
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『ツンドラモンスーン』を読んでいたら、森先生のWシリーズを読んでみたくなりまして。
シリーズ一作目のこちらを図書館でゲットしてきました✌
面白かったら来月はこのシリーズに挑戦してみようかと。