とりあえず思いつく本を挙げておきます

母になっても読書は日課。本の記録と紹介のブログです。(3ヶ月以内に出版されたものを「新刊」、概ね半年以内に出版されたものを「準新刊」としています)

ちびまる子ちゃんと私

私が初めて買った雑誌は、「りぼん」でした。
テレビで毎週欠かさず観ていた、大好きだったちびまる子ちゃんの下敷きが付録でつくと聞いて、お小遣いを握りしめ、ドキドキしながら友達と近所の書店に行ったことを今でも覚えています。

そこで少女マンガのキラキラした雰囲気に出会い、ひとつ新しい世界を知ってしまったような気持ちになったものです。
あれは小3の5月でした。

テレビでちびまる子ちゃんのトリコになった小2の頃には、「あと少しでまるちゃんの歳に追い付ける!」と待ち遠しく思っていました。
けれどいつの間にかまるちゃんの学年に追いつき、お姉ちゃんの学年さえ越えて、更には自分も姉妹の母となっていました。

妊娠中にはさくらももこさんのエッセイを読み漁り、特に『そういうふうにできている』には大変勇気付けられたことが忘れられません。

そういうふうにできている (新潮文庫)

そういうふうにできている (新潮文庫)

長女は現在小1。
小学校入学時には「あと2年でまるちゃんに追いつける」と、喜んでいました。

年月が流れるのは早いものです。



何がきっかけかは分かりませんが、娘たちも気付けば『ちびまる子ちゃん』の大ファンになっていました。

幼稚園のころから毎週欠かさずアニメを観て、まるちゃんのマシュマロを買えば大喜びしていた娘が、折しも今月ついにまるちゃんのコミックデビューを果たしました。
面白い場面があると声をあげて笑い、いちいち「お母さん見て見て!」と追いかけてきます。

ついさきほども昨日録画したアニメを観て、まるちゃんに釣られて「宇宙人はいるか?いないか?」議論をしていました。
枕元には読みかけのコミックを伏せたまま眠ってしまい、後から気付いた母は「だらしない!」と呆れました。



こんなふうに私たちの日常では、所々にまるちゃんがいます。
つい先程まで、一緒にいたような感覚です。

さくらももこさんが既にこの世から旅立たれたなんて、とても信じられないし受け入れられません。

けれどそれと同時に、長きにわたり愛されてきた、そしてこれからも愛されていくであろう「ちびまる子ちゃん」を遺してくれたことに、感謝と羨望が入り交じった気持ちにもなります。

少しマヌケで呆れつつも、優しさがあるまる子は憎めません。
ギャグセンスの光る笑い話もあれば、人情味あふれホロリとくる話しもありました。
昭和から平成、次の時代を控えながらも愛され続けるのは、等身大のキャラクターのよさや、どこか懐かしくも身近な生活風情に共感ができるからだと思います。

そしてコミックやアニメだけでなく、エッセイなどの作品からは、さくらももこさんのユーモアや温かいお人柄が溢れ出ていました。



さくらももこさんのご冥福を、心からお祈りします。
そして輪廻転生があるとすれば、来世でも面白い作品を描いていただき、私もまた出会えたらいいなと思います。


娘たちが寝る直前まで読んで大笑いしていたのは、こちら『ちびまる子ちゃん』12巻でした。