とりあえず思いつく本を挙げておきます

母になっても読書は日課。本の記録と紹介のブログです。(3ヶ月以内に出版されたものを「新刊」、概ね半年以内に出版されたものを「準新刊」としています)

修正と追記!2019年7月の読書11冊と簡単な感想

①宮田賢人『碧き聖断』(7月5日発売の新刊)

『碧き聖断』?必ず原爆投下を防いで未来を変える…誠太は八十年前へ旅立った?

『碧き聖断』?必ず原爆投下を防いで未来を変える…誠太は八十年前へ旅立った?

7月に入って発売日に届いてソッコー読んだのに、読書メーターに登録されていなかったために記録から漏れてしまっていました(>_<)

宮田さん、すみません。

いつもはてなブログで拝見している、そして私の拙いブログの読者になってくださっている新人作家さんの初出版の作品です。

ご本人がご覧になっているかもしれないのに、私などが感想を述べるのは僭越なので、ご紹介までにしておきますが、読んでよかったです。



東野圭吾『希望の糸』(7月5日発売の新刊)

希望の糸

希望の糸

殺人事件の謎解きという意味ではサスペンス。
けれど実は十年以上前の過去から、知らない者同士が「我が子」への愛で関わり合っていたというとても深い物語だった。
親子とは、家族とは何なんだろう。





石田衣良『ブルータワー』

ブルータワー (文春文庫)

ブルータワー (文春文庫)

設定自体はめちゃくちゃ面白いのに、現代から未来への情報の伝え方に無理があった。
最後の次元を超えた対話にも鼻白んだ。

SFとファンタジーの要素が不協和音を起こして幼稚な結末になっている印象。

この小説は同じ設定で恩田陸さんあたりが描いたら傑作になりそう!





池井戸潤『鉄の骨』

鉄の骨 (講談社文庫)

鉄の骨 (講談社文庫)

中堅ゼネコンの談合をめぐる物語。
多くの人には直接の縁はないテーマと思っていたけれど、面白かった!
企業と政治の闇と、必要悪の存在との間で心が揺れた。
途中から作戦が分かってしまったけど、それでも気持ちよくスカッとした。





椎名誠ほか『坊っちゃん文学賞作品集』
(画像なし)

玉石混淆。
(個人の好みによるけれど)






⑥塩田武士『罪の声』(準新刊)

罪の声 (講談社文庫)

罪の声 (講談社文庫)

昭和の未解決事件の真相を描く。
もちろんフィクションだしかなり昔の事件を扱っているけれど、犯罪は一世一代で完結することではなく、後世にも何らかのカタチで闇が遺されていくのだと考えさせられる。





辻村深月『ツナグ』

ツナグ (新潮文庫)

ツナグ (新潮文庫)

死んだ人との一夜限りの邂逅。
学生時代に読んだ『黄泉がえり』や、伊坂幸太郎さんの『死神の精度』などを思い出した。

粗筋が似ているという訳ではないのだけれど、死者の魂や死神のような存在には、人間はどうやら様々な救いや期待や死生観を託したいのかな・という意味ではつながる。





コニー・ウィリス『最後のウィネベーゴ』

ウィリス女史の著書は辞書級連作の超長編をいくつかよんだことがあるので、短編集は初めてだった。

いつも登場人物同士のまどろっこしいやりとりや、効率の悪い駆引きが苦痛だったけれど(それでも読んでしまう)、今回は輪をかけて酷かった気がする。

そのためか、はじめの一編しか記憶に残っていない(汗)





⑨Gever Tulley『50 Dangerous Things you should let your children do』

50 Dangerous Things (You Should Let Your Children Do) (English Edition)

50 Dangerous Things (You Should Let Your Children Do) (English Edition)

「先回りして危険を子供から遠ざけているだけでは、子供は何も学べない。危ない遊びから防衛力を養うことができる」という旨の著者の考えには賛成。
でも肝心の内容は、、、日本と欧米の文化の違いもあるのかな?
全てに賛同はできない。

でもドキッとする見出しのわりには「そこから何を学べるの?」とか、「ガチで危険じゃん!」とか、「大人の私でも怖いから無理」というものも多かった。





パオロ・バチガルピ『神の水』

地球温暖化が進み水資源が限られたアメリカが舞台。
貧富の格差が極度に進み、富裕層は快適な住環境で水を使い、貧困層は飢えと渇きの過酷な生活を強いられる。

近未来に本当に起こり得そうな題材ということで一般的にも好評価を得ているようだけれど、実は貧富の格差自体は人類の貨幣経済が生まれてからずっと続いてきた問題ではないかと私は思っている。

水資源に焦点をあてるなら、サン=テグジュペリの『人間の大地』の砂漠関連の話を思い出した。





百田尚樹『プリズム』

プリズム (幻冬舎文庫)

プリズム (幻冬舎文庫)

解離性同一性障害(多重人格)をもつ男性との愛の苦悩の物語。
予定調和的なラストだったけれど、そこに至るまでが面白くて途中でやめられなかった。