とりあえず思いつく本を挙げておきます

母になっても読書は日課。本の記録と紹介のブログです。(3ヶ月以内に出版されたものを「新刊」、概ね半年以内に出版されたものを「準新刊」としています)

三浦準司『人間はだまされる』(新刊)

10代向けに書かれたメディアリテラシーの本ですが、もちろん大人が読んでも分かりやすく、為になるかもしれません。
今後わが子にも話す機会があるだろうなと思っていたところ、新刊が出ていたので読んでみました。

タイトルは『人間はだまされる』になっていますが、全体的には情報の特質とジャーナリズムの理念について書かれたウェイトが大きいと感じました。
要は「情報は発信者も受信者も主観が入ってしまい事実がゆがみやすい」ということと、「生きていくのに必要な情報を集めて発信するジャーナリストは重責を担っている」という話が大半だという印象です。

もちろん、情報を簡単に鵜呑みにしないこと、情報に対する認識によって無意識に騙されてしまうことなんかにも言及されています。


ここで挙げられている事例が史実に基づいていて具体的なものばかりであった点と、インターネットに加えSNSなど最新のトピックスを扱っている点が、本書の良さだと思いました。
他は正直、(あくまで私にとってですが)目新しいことはそんなに書いてない気がします。


広い意味でのメディアリテラシーといえば、私がこれまで読んだ中では苅谷剛彦先生の『複眼的思考法』が不動の最良書です。
これを読むと、ものごとの見方がガラッと変わるかもしれません。
ずいぶん前に出た本ですが、情報ツールやメディアの形が多少変わっても、情報の受け止め方という根本的な姿勢を教えてくれます。

知的複眼思考法

知的複眼思考法

『複眼的思考法』のティーン向け最新版が出たらいいのにな。