とりあえず思いつく本を挙げておきます

母になっても読書は日課。本の記録と紹介のブログです。(3ヶ月以内に出版されたものを「新刊」、概ね半年以内に出版されたものを「準新刊」としています)

2017-10-01から1ヶ月間の記事一覧

ダーウィン『種の起源(上)』

何億年もかかった地球生命進化の歴史を、たった一人の たかだか数十年の人生で、ここまで解明してしまったことが、ある意味で恐ろしいと思います。ダーウィンは膨大な標本やデータを採取し、そこから淘汰、分岐、成長の中での作用、本能、不妊、種の類似等々…

穂村 弘『ぼくの宝物絵本』(準新刊)

絵本は子供だけのものではなく、もちろん大人もたのしめるものです。 いや、というよりむしろ、子供とはまた異なる大人ならではの味わい方があると思います。 そんな大人が絵本をたのしむための視点や考え方を、穂村弘『ぼくの宝物絵本』は教えてくれます。…

池井戸潤『架空通貨』

この巧妙な作品は「金融サスペンス」とでも呼ぶべきでしょうか。 カネを通した企業や人との関係を探り、裏にあるカラクリやトリックがどうなっているのか謎が明かされていくストーリーです。 しかし単なる謎解きにとどまらず、金に翻弄される人の心情や、世…

池井戸潤『下町ロケット』

夢と勇気と感動をもらえる企業小説、ドラマにもなった人気の物語です。 感想を一言でいうと、かなり胸と目頭が熱くなる面白さで、企業戦士やエンジニア、人生の目標に迷う多くの大人にオススメの一冊です。 東京下町にある中企業「佃製作所」の佃(つくだ)社…

森下典子『前世への冒険』

『前世への冒険』は、500年前に生きたあるイタリア人青年の謎解きをしていくルポタージュですが、これはもう立派なノンフィクションのミステリーです。前世への冒険 ルネサンスの天才彫刻家を追って (知恵の森文庫)作者: 森下典子出版社/メーカー: 光文社発…

佐藤真澄『小惑星探査機「はやぶさ」宇宙の旅』

2003年に日本から打ち上げられた小惑星探査機「はやぶさ」が、地球を発ってから2010年に帰還するまでの7年間を描いた記録です。高学年以上向けでしょうが、宇宙に詳しくない大人が読んでも感動すること間違いなしです。 小惑星とは太陽系を周回している、惑…

村山由佳『ダンス・ウィズ・ドラゴン』

私は目に見えない因果に興味があります。 オカルト的な意味ではなく、宇宙の中で解明されていない多次元や時空が、ひょっとしたらそれらは「神」「霊」「前世」「縁」などに関係しているのではないかと思うのです。そんなわけで、宗教とか心霊の分野で扱われ…

食育以前に読んでおきたい番外編~高野紀子『テーブルマナーの絵本』

ブログを始めて2ヶ月足らずですが、まずひとつの目標にしていた60記事を越えることができました。 今日からは少しペースを落とし、2~3日に1記事程度の更新にしていこうかなと思います。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・テーブルマナーの絵…

食育以前に読んでおきたい「食」の本③~ブリア・サバラン『美味礼讃』

『美味礼讃』は約200年も前のフランス革命の時代に書かれた「食」の評論です。 著者のサバランは司法・政治に関わる有識者で美食家ですが、単なる料理評論や美食自慢にとどまらず、人間にとっての「食べること」を多面的に語り進めていきます。私はガストロ…

食育以前に読んでおきたい「食」の本②~森達也『いのちの食べ方』

私たちの暮らしは、多くの命の犠牲のうえに成り立っています。 『いのちの食べ方』は、食卓に上る肉がどのような過程を経て私たちの手元に届くのか…という食育の題材を皮切りに、「いのちを頂く」ということや「いのちの尊さ・憐れみ」といった深いテーマに…

食育以前に読んでおきたい「食」の本①~辺見庸『もの食う人びと』

子供に「残さず食べなさい」などと言う前に、自分たちは本当に「食」のことを分かっているのでしょうか? 少なくとも私が知っている「食文化」など、人類有史以来の数万年のうちの一瞬、さらに日本というほんの限られた範囲でしかありません。 『もの食う人…

都築響一『捨てられないTシャツ』(準新刊)

ボロボロになっても捨てられないTシャツを、多くの方が1枚や2枚は持っているのではないでしょうか。 そんな老若男女70人の「捨てられない」Tシャツの写真と、そこに絡めた人生のエピソードが結集し綴られています。一般の方から著名人まで様々な方のTシャツ…

石川拓治『奇跡のリンゴ』

いつも何気なく食べているリンゴですが、実は収穫されるまでに多くの害虫や病気にさらされる作物で、非常に多種類・大量の農薬が必要だそうです。 そんなリンゴを、リンゴ史始まって以来の無農薬で育てて収穫するという前人未到をやってのけた農家・木村秋則…

『なごや子ども貧困白書』

名古屋が抱える現代の青少年問題について論じた白書です。 有識者によるアンソロジーで、産婦人科医、児童養護施設、地域の児童館、里親制度、名古屋駅周辺の夜回りなどなど、様々な立場から青少年の抱える問題を取り上げています。 なごや子ども貧困白書作…

舟生岳夫『子どもの防犯マニュアル』(準新刊)

就学前~就学児をもつ親御さんにはぜひ一読をオススメしたい一冊です。 子供が犯罪や事件に巻き込まれないための、心構えや具体的な対策が紹介されています。 事が起きてからの話もありますが、それ以前に、事が起きないようにするための話がメインです。子…

いとうみく『おねえちゃんって、いっつもがまん?!』(新刊)

長女が新刊の中から真っ先に手に取りました。 タイトルの文言は「兄姉」の立場にとっては永遠のテーマなのかもしれません。 小学校1年生のココのお母さんと、3歳のナツのお父さんが結婚し、ココとナツの二人は姉妹になりました。 妹ナツはキャラが濃く描かれ…

ロバート・ウィンストン『科学の実験 大図鑑』(準新刊)

引き続き子供向けの科学実験本のご紹介です。 こちらは一冊まるごと、様々な科学実験が載っています。 オールカラーの図版は、実験材料もカラフルに写真映えを考慮しているようで、なかなか美しいです。内容は大きく分けて「食べもので実験」「おうちにある…

家庭でたのしく実験絵本3冊

子供は身の回りの現象を素直に「ふしぎ」「おもしろい」と感じて好奇心をもちます。 「ふしぎ」や「おもしろい」をそのままにせず、我が家では簡単な理科の実験をすることがあります。実験といっても、もちろん堅苦しいものではなく、身の回りのものを使って…

梯久美子『散るぞ悲しき』

戦記にも様々な形態がありますが、第二次世界大戦で硫黄島総指揮官として戦地に赴いた栗林忠道中将の、主に家族へ宛てた手紙と関係者へのインタビューでドキュメンタリー形式にまとめられています。 軍人本人の手紙を通した主観的な重みと、淡々と語られる客…

アイリック・ニュート『サイエンス・クエスト 科学の冒険』

文系の人こそ楽しめる科学のお話です。 といっても実験や化学式の話ではなく、私たちの生きる宇宙や地球にどんな科学的法則があるかという、ワクワクするアドベンチャーです。このブログではまだあえて一冊もご紹介していないのですが、実は私はSF好きでして…

河野通和『考える人は本を読む』(準新刊)

アイディアを出すなら読書すべし!みたいな内容かと思ったら全然違いました。 要するに書評でした。ただオススメ本を羅列しているのではなく、「言葉」や「仕事」や「家族」など、それぞれのテーマについて考えさせる本25冊が紹介されています。 刊行誌「考…

アガサ・クリスティ『春にして君を離れ』

人生の折に触れて読み返したい小説のひとつです。 一般書評でも、多くの読者が「人生のバイブル」とか「人生で何度も読み返す本」などと、自身の人生に影響があったことを強調していました。春にして君を離れ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)作者: アガサ・…

堀貞一郎『感動が人を動かすー東京ディズニーランドの成功を支えた名脇役たち』

ディズニーランド(リゾート)の経営に関しては多くの本が出版されていますが、ディズニーランドができるまでについては、ここまで当事者によってありのまま書かれたものは他にないのではないかと思います。オリエンタルランド取締役(当時)として東京ディ…