卒園式と着付けと小説『きもの』の話
■私もちょっと泣きました
私事ですが昨日は長女の卒園式でした。
ブカブカだった制服も短いくらいになり、堂々と歩き修了証書を受け取る姿や立派に返事をする声にこみ上げるものがありました。
担任教諭が証書授与で呼名する前にマイクに向かって
毎日が皆さんとの笑い声が溢れる幸せな日々でした。皆の名前を呼ぶのもこれで最後です。
と話しながら途中 涙で声が出なくなったところで、保護者も涙腺崩壊(ToT)
卒園児も、歌いながら立てなくなるほど嗚咽する男の子までいて、温かいハレの日になりました。
- 作者: 首藤久義,村石昭三
- 出版社/メーカー: フレーベル館
- 発売日: 2014/12/01
- メディア: 単行本
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表紙に幼稚園名と「卒園記念」の文字の金刻印入り。
娘は本を読みながら自然に低学年の漢字を覚えてしまったようですが、私は教育ママではないので基本的に放置してます(笑)
■久々に礼装を
さて昨日は久しぶりに訪問着を着ました。
分かりづらいですが、山吹色の伊達襟を使っています。
いつも差し色で悩むんですよね。
(おっと帯締めがズレている!)
帯揚げは今回初めて使ったかな?かなり昔に買ったので忘れましたが、金色が盛ってありかなりのお気に入りです。
関西に住んでいた頃は、帯揚げは横一直線に整えるのが多かったのですが、現在の居住地では左右に緩やかな山をつくるのが主流なようです。
帯締めは礼装用ではありませんが、ややドレスダウンということで。
主役は子供ですが、失礼のないように、恥をかかせないように…母親も着るものってこんなに悩むものなのですね。
4月にはまた違う色の訪問着を着る予定です。
入学式と入園式があるから、帯や小物を変えようかな~など漠然と考えています。
それにしても今回は、なんと上半身の補整を忘れてしまい
Σ( ; ゜Д゜ノ)ノウヒョー
帯まで締め終わったところで補整タオルが1枚ポツン…
前日から周到に準備したはずなのに、これまで何十回と着物を着ましたが、こんなこと初めてです(笑)
私の住んでいる地域は平日でもちらほら小紋の方を見かけるくらい着物が身近なのか、卒園式でも一学年の1割以上が和服、園長(女性)も色留め袖でした。
だから周りの目も肥えているような気がして、無意識にかなり緊張していたのでしょう。
それでも何とか事なきを得ました。(たぶん。)
■着物を扱ったオススメ小説
唐突ですがここで、私の好きな着物を題材にした文学作品をご紹介します。
着物をお召しになる方はご存知の方も多いかもしれませんが、私も好きな作品です。
(20代の頃に読んだので細かいことは忘れていますが)
明治から大正(昭和)にかけて生きた主人公るつ子の日々と成長を描いた物語で、
控えめなるつ子に対し、姉が美しく着道楽なのがスパイシーだった覚えがあります。
- 作者: 幸田文
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1996/11/29
- メディア: 文庫
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この物語の特徴は、「きもの」を軸に人々が抱える日常や感情、人物の個性や人間関係が描かれており、「きもの」にまつわる礼法や暮らしの知恵、古風な美意識といった、古きよき日本を感じられることです。
「きもの」の色かたちが様々な情景を写し出していて、衣服がこれほどまでに人を映し出すカガミであることや、着ることに執着する女のサガも剥き出しで、なんだかそんな人間臭さにのめり込んでしまった記憶があります。
時代背景や着るものが違う現代人でも、女の幸福、嫉妬、虚栄心、絶望失望、焦燥感、羨望、希望、、、といった人間的な感情に共感してしまいます。
登場人物の女性陣も実に個性豊かで、共感できる人物、嫌悪してしまう人物、自分に似ている人物…多くの女性との出会いを私自身が疑似体験した気分になりました。
どんな時代でも女は自分なりの美しさや幸せを求めてもがく、そんな姿にシニカルにも共感できる小説です。
他にも着物に関する小説やエッセイは沢山あるのですが、今日はこのあたりにしておきます。