とりあえず思いつく本を挙げておきます

母になっても読書は日課。本の記録と紹介のブログです。(3ヶ月以内に出版されたものを「新刊」、概ね半年以内に出版されたものを「準新刊」としています)

2019年1月の読書4(!)冊

受け持っていた生徒たちが皆第一志望の大学に受かり、いよいよ卒業に向けて動き始めた2月です。
そして新たな受験生を迎え、また他方の仕事では新しいご用命をいただき、さらに毎年恒例の確定申告の準備をしたり、、、と相変わらずバタバタせわしい毎日です。

私は雇用という形態ではなく、特殊な(?)仕事の請け負い方をして個人事業主として勤務しているため、仕事は受けられるときに受けるスタンスです。

さて、そんな中で1月の自分の読書としては4冊しか読めませんでした。
けれど辞書級の厚さで定評のあるコニー・ウィリス女史の小説を2冊読んだので、ボリュームとしてはお腹いっぱいになることができました。

1月の読書記録を残しておきたいと思います。


コニー・ウィリス『航路・上』
コニー・ウィリス『航路・下』(早川書房)

生死の狭間を彷徨う「臨死体験」。
スピリチュアルに捉えられがちですが、これを科学的に解明しようという医療現場を舞台にしたSFです。

臨死体験の研究をしている認知心理学者のジョアンナは、人為的に「臨死状態」を作り出して脳の働きを調べようという新規プロジェクトに参加します。
そんな中で自身が被験者となり臨死状態に入ると、なんと思いもよらない経験をしたのです…。

多様な人生の中で人が必死で「生きよう」ともがく本能を垣間見せられる長編小説でした。
ですが(よい意味で)軽いエンターテインメントにとどまり、「まぁ、面白かった」程度の感想です。
この小説にはある映画の話題が出てくるので、映画好きの私はそちらをたのしみました。

コニー・ウィリスの名著「ブラックアウト」と「オールクリア」ほどの衝撃はありませんでした。
しかし女史の新しい"辞書級の"小説が12月に出たので、今、地元の図書館に購入手続きをしてもらいこちらを楽しみにしているところです。


③ユヴァル・ノア・ハラリ『サピエンス全史・上』(川出書房新社)

今さらですが、読んでよかったと思います。

サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福

サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福

感想は、長くなるので次の記事に書きます。


④イルセ・サン『鈍感な世界に生きる敏感な人たち』

昨年のはじめ、あることをキッカケに自分がHSPと知り、それからというもの関係する本を漁っては読んでいます。

目的は、自分自身がHSPを知ることと、生きづらさを少しでも軽減できる方法を見つけること。

鈍感な世界に生きる 敏感な人たち

鈍感な世界に生きる 敏感な人たち

HSPとはHighly Sensitive Personのことで、精神病理学で「敏感すぎる人」たちのことを指す、最近生まれた括りだそうです。

単なる繊細とか神経質ではなく、認知や感覚を司る脳の反応が顕著に大きいという特性があるらしいです。
病気や障害でもないのですが、そのため社会生活や心身の健康面でも様々な影響が出やすいことが解明されています。

ただHSPは困難なことばかりではなく、むしろ能力であり、感受性の高さなど社会生活や仕事面で生かせる点も多いので、その特性を潰さずうまく生かしましょう、というのが本書の主旨でした。

実際に読んでみると、ここに書いてあることがほぼ100%近く、私自身の性質と合致して驚きました。
特に人と争うこと、子育て、自尊心の低さについての記述。

巷では"多様性を認める社会を目指そう"という動きはあるものの、「ではその多様性というのはどのようなものなのか?」と
キチンと分析して理解や共存をしようというところまでは進んでいないと私は感じています。
それならば、まずは自分自身を客観的に見ようという試みとして、本書はとても役立ちました。

私はまだ自分の気質をなんとか上手く扱えているほうだと思うので、社会生活上の困難は小さく押さえられているのですが、でもやっぱり理解されたい・理解したい…という気持ちはあります。