2019年11月の読書記録7冊と簡単な感想
村田沙耶香『地球星人』
自分を異星人と思って暮らしている主人公と、それをとりまく人々の話。
レビューで「ラストが衝撃的」「凄まじい」「恐ろしい」の言葉を見かけていたので、「仲間うちで惨殺でもするのかな」なんて単純に予想していたが、、、甘かった。
ある意味人間の禁忌を犯してしまっている。
18禁とかにしてほしい作品。
篠田節子『ハルモニア』
チェロ奏者と、脳に障害があり音楽に天才を発揮する女性の物語。
芸術家の苦悩の描写が素晴らしかった。
篠田節子さんって音楽にも造詣が深い方なの?!と驚いた。
コンデックス情報所『いつの間に?!ココまで変わった学校の教科書』(新刊)
- 作者:コンデックス情報研究所
- 出版社/メーカー: 成美堂出版
- 発売日: 2019/08/01
- メディア: 単行本
子の親として、社会人として、知っていなくてはならないことが多かった。
そして科学や歴史をはじめとする学問は、普遍ではないということを改めて意識させられた。
林真理子『私はスカーレットⅠ』(新刊)
解説によるとM.ミッチェルの「風とともに去りぬ」の著作権が切れたとのことで、今後また様々な作家による新訳が出るのではないかとのこと。
私は新刊の林真理子さん版を読んた。
元の作品がおもしろいのもあるけれど、主人公スカーレットの自信満々で高飛車なところが林真理子さんと重なるからだろうか、翻訳ではなくオリジナルではないかと錯覚するほどハマっていた。
でも長い話なんだからもうちょっと1冊に収録する範囲を増やしてほしかった!
年明けに2巻がでるようなので、待ち遠しい。
眉村卓『妻に捧げた1778話』
- 作者:眉村 卓
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2004/05/16
- メディア: 新書
「15年ぶりに泣いた」「究極の夫婦愛」というカズレーザーさんの紹介で、ずーっと読みたかった本。
眉村先生が、ガンを宣告された奥さまのために1日一編ずつ書いた短編をまとめたもの。
眉村先生の訃報が報道されたので、これを機にようやく読んだ。
何かの番組でカズさんが「ラストの3行だけで泣ける」と話していて、それを聞いた光浦靖子さんがその場でラスト3行だけ読んで泣いていた。
だから私も気になって先にラスト3行だけ読んでみた。
たまらなく涙が出た。
桜井進『世界の見方が変わる「数学」入門』
数学は、この世で唯一ゆるぎない、普遍で美しいものだと私は思っている。
篠田節子『肖像彫刻家』(準新刊)
音楽を題材にした『ハルモニア』がおもしろすぎて、かと思ったら美術を題材にした作品が今年出版されていたことを知り、図書館で探しだした。
これまで読んだ篠田節子さんの作品よりはライトに読めたけれど、やはり人間の内面をエピソードに興味深くおとしこんでいて、どの話も面白かった。
最近知って今最も気になる、イチオシの作家さん。