とりあえず思いつく本を挙げておきます

母になっても読書は日課。本の記録と紹介のブログです。(3ヶ月以内に出版されたものを「新刊」、概ね半年以内に出版されたものを「準新刊」としています)

舟生岳夫『子どもの防犯マニュアル』(準新刊)

就学前~就学児をもつ親御さんにはぜひ一読をオススメしたい一冊です。
子供が犯罪や事件に巻き込まれないための、心構えや具体的な対策が紹介されています。
事が起きてからの話もありますが、それ以前に、事が起きないようにするための話がメインです。

子どもの防犯マニュアル

子どもの防犯マニュアル


本書の内容を大きくとらえると、連れ去り事件や交通事故を防ぐための通学(通塾)路の捉え方、身を守るための方法、ネット犯罪に巻き込まれないための情報機器の使い方、防犯グッズについて、地域の人々や親子間の関わり方等について詳しいアドバイスがされています。


著者はセキュリティ会社セコムの幹部を経験された「防犯のプロ」なので、分析から対策や根拠まで納得できることが多いです。
子どもが物事をどう見て動くかということと、親としては何を望むかという、二者からの視点に立って論じてくれるので何より説得力がありました。

同じく子育て経験のある著者の姿勢としては、子どもの行動範囲や興味の広がりは成長の証であるという前向さが前提にあるので、親ばかりが神経質になってしまうような書き方がされていないのも本書の良さです。


防犯のために具体的にできる対策も色々と紹介されていて、どれも我が子の就学迄に必ず整えておきたいことばかりです。
例えば、持ち物の記名の仕方や通学路の点検は必須です。
万が一の場合の逃げ方なども身につけておくべきだと思います。
防犯グッズは持っているだけでは意味がない、その通りだと思いました。

しかしそれ以前にもっておく意識として

・親子の信頼を大切にする
・近隣地域との関係を大切にする
・防犯教育は一日にしてならず、繰り返すなかで身に付く

ということが重要だと分かります。
犯罪の手口も次々に変わっていきますが、この防犯意識の根底の部分は変わらないと思います。


事件の話など考えたくもないような話も多少は載っています。
しかし考えたくもないほど避けたいことだからこそ、未然にきちんと向き合うべき問題だと肝に銘じました。

スマホとの付き合い方など、子どもの成長に合わせて、また折に触れ読み返そうと思います。


第1章 不審者から子どもを守る
1 犯罪に巻き込まれない子どもに育てるには?
2 子どもの「性格」を親は意外とわかっていない
3「声かけ」を防ぐために名前を知られないよう工夫
4 通学路にひそむ「ワナ」を見つける
コラム 万が一、車で連れ去られたときは…
(ほか)

第2章 スマートフォンは「初期設定」のまま持たせない
10 増え続ける携帯電話やスマホの犯罪
11「みんな持っているからうちも」はダメ
12「初期設定のまま」に潜む危険
コラム 万が一、ネットでトラブルに巻き込まれたときは… 
(ほか)

第3章 通学・通塾での身の守り方
16「閑静な住宅街」だからこそ危ない
17 指定された通学路が「一番安全」だとは限らない
(ほか)

第4章 持ってるだけで安心しない! 防犯グッズ活用
24 知っておきたい防犯グッズの基礎知識
25 人気のない場所では携帯電話やGPSを活用
26 安くても大丈夫? 防犯ブザーを正しく選ぶ
コラム 緊急時にはセキュリティ会社の駆けつけも利用
(ほか)

第5章 子どもを守る“つながり”とコミュニケーション
28 学校、夏祭り、もちつき大会で知り合いを作る
29 忙しくても仲間を作って防犯情報を共有する
30「興味がない」親は子どもを危険にさらしている
コラム 緊急の安全情報はメール配信で
(ほか)