とりあえず思いつく本を挙げておきます

母になっても読書は日課。本の記録と紹介のブログです。(3ヶ月以内に出版されたものを「新刊」、概ね半年以内に出版されたものを「準新刊」としています)

『妹たちへ』

「妹」というのは私たち、読者のことです。
様々な分野の第一線で活躍する姉貴分の先輩女性たちが、女性読者へ向けて発する人生のメッセージ集。
日経woman連載のダイジェストだそうです。

妹たちへ (日経ビジネス人文庫)

妹たちへ (日経ビジネス人文庫)


どんな成功者と思われる人物も、当然その裏には秘められた苦悩や挫折、努力や哲学があります。
本書ではそんなそれぞれの背景や人生ドラマに触れることができ、共感したり疑問に思ったり励まされたりしながら、女性としての自分の人生を客観的に見つめ直す機会になりました。

活躍する女性と一言で言っても、漫画家からファーストレディ、アスリートや医師など本当に様々で、経験や常識や職業の裏側など初めて聞くような話が多いのにも興味がもてます。

決意、失意、回想、前向きな言葉、激励、吐露暴露、諦め…そのメッセージの表現は色々だけれど、各分野で何らかの結果を出している女性著名人の生き方には共通していたことが3つあるように思いました。
①人との奇しき出逢いがありそれを大切にしてきた
②よくも悪くも運命の流れに従順でそのときを精一杯生きている
③信念をもちながらも自分を客観的に見ている

もちろん私なりの解釈ですが。


特に私は、妊娠出産や転勤で定職を退いた30歳前後に読んだので、一度仕事をやめて家庭に入った後に再スタートを切った女性の話には励まされた覚えがあります。

そして執筆者の中には、「自分でもこれからどうなるのか分からない」という思いを正直に書かれている方がいて、私だけじゃないのかと(笑)何だか勇気付けられました。


男性と女性の人生で大きく異なる要因は出産と子育てですが、更にここに仕事や結婚、人付き合いなど色々なことが加わり複雑になっていきます。
それを本書によって実感させられ、ジェンダーについても考えさせられました。