とりあえず思いつく本を挙げておきます

母になっても読書は日課。本の記録と紹介のブログです。(3ヶ月以内に出版されたものを「新刊」、概ね半年以内に出版されたものを「準新刊」としています)

『うさぎのルーピースー』

当時3歳の長女が、初めて物語で泣き、「死」の意味を教えてもらった絵本です。

うさぎのルーピースー

うさぎのルーピースー

ある朝、目を閉じて動かなくなっていたうさぎのルーピースー。
このうさぎを埋める前にスケッチするというところから物語が始まるのですが、直接「死ぬ」とか「悲しい」という説明はありません。

淡々とまるで詩のように語られる文章と、温かく美しい絵が進んでいくだけです。
けれどそこには うさぎを見守る眼差しの優しさと、もう二度と目を開けることはないのだという悲しさが入り交じった静けさが漂います。


喜怒哀楽や感情というのは、理屈ではなく感覚的なものです。
あるときは あえて言葉で表さないことによって、強烈に伝わってくることもあります。
ただ目を閉じて横たわる美しいうさぎの姿から、命のはかなさを感じとる…
これがこの作品の真髄なのかもしれません。