とりあえず思いつく本を挙げておきます

母になっても読書は日課。本の記録と紹介のブログです。(3ヶ月以内に出版されたものを「新刊」、概ね半年以内に出版されたものを「準新刊」としています)

ロバート・ウィンストン『科学の実験 大図鑑』(準新刊)

引き続き子供向けの科学実験本のご紹介です。
こちらは一冊まるごと、様々な科学実験が載っています。
オールカラーの図版は、実験材料もカラフルに写真映えを考慮しているようで、なかなか美しいです。

内容は大きく分けて「食べもので実験」「おうちにある材料で実験」「水の世界で実験」「おうちの外で実験」に分かれています。

理系アタマがぐんぐん育つ 科学の実験大図鑑

理系アタマがぐんぐん育つ 科学の実験大図鑑

もちろん扱われている内容はどれも興味深い内容ばかりです。
例えば私が個人的に興味をもった実験ベスト3は、「空想化石(貝などの型を石膏でとってみる)」や「呼吸マシーン(人間の肺の模型を風船で作る)」や「カラフル浄水器(葉や小石をペットボトルに詰めて泥水を濾過する)」などがありました。


ただ、普通 実験というものは、まず動機となる疑問や興味があるはずだと思います。

「恐竜の化石はどうやってできるのだろう?」→「化石を作ってみよう。」

「呼吸をするとなぜ胸が膨らむ?」
→「肺の仕組みを模型で見てみよう。」

「泥水と飲み水って色が違うの不思議だな?」
→「泥水も透明にできるか試してみよう。」

などなど…科学実験とは、こういう疑問や目的ありきのものでありたいと私個人的には望むわけです。
唐突に「こんな実験してみよう」と大人から与えるのではなく、子供から「こんなことを知りたい」「やってみたい」と求めてくれるような、そんな動機付けをどうしたらできるのだろうかと、こういった本に出会うたびに考えます。

また本書は、同じページに実験結果とその科学的な理論も説明されてしまっています。
これは分かりやすさという長所でもありますが、プロセスと答えと根拠が一目で分かってしまうなら、自分で実験する意味はあるのだろうか(もちろんありますが笑)、、、と私はちょっと残念に思ってしまいます。

その点、前回こちら

booksformams.hatenablog.com

でご紹介した3冊の絵本などは、動機付けから結果まで、ページを進みながら徐々に与えてくれるのが やはり私の好みに合っている気がします。


どちらが正解とか間違いとかではなく、目的や価値観によるのかもしれません。


…とまぁ、そんなことを親が悶々と感じていても、我が子はこの本を読みながら「これやりたい!」「これも不思議!」と目を輝かせているのだから、結局は子供のトキメキが大切ですね。


ルビがふってあり平易な文章なので幼児にも分かりやすいです。
ただ、実験自体はそれほど手軽にできるものばかりでなく、ある程度 場所、材料、時間を要するものが多いので、夏休みの自由研究のヒントなどに使うと有効かもしれません。