『おうちでできるシュタイナーの子育て』
シュタイナー、フレーベル、モンテッソーリといえば近現代教育に影響を与えた欧州の三大巨匠だと個人的に思ってるんですが(あ、モンテッソーリは医師か)、この本を見つけたとき真っ先に「家庭で自分でできるの?」と少し驚いた記憶があります。
フレーベルの恩物はともかく、巨匠たちの教育論にはオリジナルの教具・教材が必要で、幼稚園保育園や学校教育など集団で実践するものというイメージが強かったためです。
でも確かに「教育」なんてもっと身近なところ、家庭内にあるんだ!と納得したので読んでみました。
おうちでできるシュタイナーの子育て 「その子らしさ」が育つ0~7歳の暮らしとあそび
- 作者: クレヨンハウス編集部
- 出版社/メーカー: クレヨンハウス
- 発売日: 2009/06/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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シュタイナー教育では、人間を「物質(肉体)」、「魂(心)」、「精神(自我)」の3要素から成り立っているとらえる特有の考え方があります。
主にこの3要素を良い状態にもっていく「自由への教育」というものを提唱しているのですが、家庭でできることとしては、子供と取り組む手仕事のススメや子供によい部屋作りなどが紹介されていました。
要するに、穏やかな空間の中で、子供のペースを大切にした心身に優しい暮らしを共に楽しみましょう、ということです。
私個人としては、怪我手当ての方法以外に子育てという意味では目新しいことは書いてありませんでしたが、逆に「シュタイナーってこういうこと言ってたっけな」という復習になりました。
一般向けに書かれているので分かりやすいです。
日本では心霊科学が遅れているので「魂」なんて言葉を使うとスピリチュアルとかオカルトと一蹴されそうですが、シュタイナーはあの時代から「魂」という言葉をキーワードにして、アカデミックな立場でも受け入れられていたということに新鮮な興味をもちました。