とりあえず思いつく本を挙げておきます

母になっても読書は日課。本の記録と紹介のブログです。(3ヶ月以内に出版されたものを「新刊」、概ね半年以内に出版されたものを「準新刊」としています)

菅原ますみ『「ママ」というおシゴト』

陳腐なタイトルですが内容はなかなか濃く、得るものの多い一冊でした。
母親業をオシゴトとしているのは、もちろん職業としてではなく、「一生をかけて真剣に取り組む偉業」と捉えている著者の意気込みが伝わってきます。

アカデミックな「研究者」と、女性としての「母親」という2つの立場を経験されている菅原さんならではの視点と切り口で、母親としてのライフワークについて考えさせられました。

「ママ」というオシゴト―子育ては最高のライフワーク! (Como子育てBOOKS)

「ママ」というオシゴト―子育ては最高のライフワーク! (Como子育てBOOKS)

まずは女性の人生を100年と仮定し、その中に占める育児の時間がどのようなものかを一人の先輩女性として一緒に考えていくというスタンスが、とても温かく心強く感じられます。

例えば、
・子供との関わりや大変さ
・夫婦のあり方
・仕事との両立の考え方
・子離れへの心の準備

などなど、漠然としか考えられない未来のことまでもイメージできたのが有意義でした。
つい日々 目の前の育児に追われがちですが、ときには長いスパンでものごとを考え直すと、何か大切なことが見えてきます。

また前向きになるためのキレイゴトだけでなく、子をもつことの最大のリスクや、現代ならではの母を取り巻く問題などネガティブな面についても話が及んでいるのは評価されるべきだと感じます。

特に、私自身が抱いていた「この幸せなはずの子育ての辛さ苦しさは一体何なんだろう?」という疑問へのひとつのヒントが書いてありました。
現代に合っていて的を射た話も多いです。

子育ての大変さを自分ひとりで抱えがちな方や、子育ての先が見えなくて鬱々としてしまう方、子育ての遣り甲斐を誰かと共有したいという方にも、何かしらプラスになる一冊だと思います。