とりあえず思いつく本を挙げておきます

母になっても読書は日課。本の記録と紹介のブログです。(3ヶ月以内に出版されたものを「新刊」、概ね半年以内に出版されたものを「準新刊」としています)

2017-01-01から1年間の記事一覧

食育以前に読んでおきたい「食」の本①~辺見庸『もの食う人びと』

子供に「残さず食べなさい」などと言う前に、自分たちは本当に「食」のことを分かっているのでしょうか? 少なくとも私が知っている「食文化」など、人類有史以来の数万年のうちの一瞬、さらに日本というほんの限られた範囲でしかありません。 『もの食う人…

都築響一『捨てられないTシャツ』(準新刊)

ボロボロになっても捨てられないTシャツを、多くの方が1枚や2枚は持っているのではないでしょうか。 そんな老若男女70人の「捨てられない」Tシャツの写真と、そこに絡めた人生のエピソードが結集し綴られています。一般の方から著名人まで様々な方のTシャツ…

石川拓治『奇跡のリンゴ』

いつも何気なく食べているリンゴですが、実は収穫されるまでに多くの害虫や病気にさらされる作物で、非常に多種類・大量の農薬が必要だそうです。 そんなリンゴを、リンゴ史始まって以来の無農薬で育てて収穫するという前人未到をやってのけた農家・木村秋則…

『なごや子ども貧困白書』

名古屋が抱える現代の青少年問題について論じた白書です。 有識者によるアンソロジーで、産婦人科医、児童養護施設、地域の児童館、里親制度、名古屋駅周辺の夜回りなどなど、様々な立場から青少年の抱える問題を取り上げています。 なごや子ども貧困白書作…

舟生岳夫『子どもの防犯マニュアル』(準新刊)

就学前~就学児をもつ親御さんにはぜひ一読をオススメしたい一冊です。 子供が犯罪や事件に巻き込まれないための、心構えや具体的な対策が紹介されています。 事が起きてからの話もありますが、それ以前に、事が起きないようにするための話がメインです。子…

いとうみく『おねえちゃんって、いっつもがまん?!』(新刊)

長女が新刊の中から真っ先に手に取りました。 タイトルの文言は「兄姉」の立場にとっては永遠のテーマなのかもしれません。 小学校1年生のココのお母さんと、3歳のナツのお父さんが結婚し、ココとナツの二人は姉妹になりました。 妹ナツはキャラが濃く描かれ…

ロバート・ウィンストン『科学の実験 大図鑑』(準新刊)

引き続き子供向けの科学実験本のご紹介です。 こちらは一冊まるごと、様々な科学実験が載っています。 オールカラーの図版は、実験材料もカラフルに写真映えを考慮しているようで、なかなか美しいです。内容は大きく分けて「食べもので実験」「おうちにある…

家庭でたのしく実験絵本3冊

子供は身の回りの現象を素直に「ふしぎ」「おもしろい」と感じて好奇心をもちます。 「ふしぎ」や「おもしろい」をそのままにせず、我が家では簡単な理科の実験をすることがあります。実験といっても、もちろん堅苦しいものではなく、身の回りのものを使って…

梯久美子『散るぞ悲しき』

戦記にも様々な形態がありますが、第二次世界大戦で硫黄島総指揮官として戦地に赴いた栗林忠道中将の、主に家族へ宛てた手紙と関係者へのインタビューでドキュメンタリー形式にまとめられています。 軍人本人の手紙を通した主観的な重みと、淡々と語られる客…

アイリック・ニュート『サイエンス・クエスト 科学の冒険』

文系の人こそ楽しめる科学のお話です。 といっても実験や化学式の話ではなく、私たちの生きる宇宙や地球にどんな科学的法則があるかという、ワクワクするアドベンチャーです。このブログではまだあえて一冊もご紹介していないのですが、実は私はSF好きでして…

河野通和『考える人は本を読む』(準新刊)

アイディアを出すなら読書すべし!みたいな内容かと思ったら全然違いました。 要するに書評でした。ただオススメ本を羅列しているのではなく、「言葉」や「仕事」や「家族」など、それぞれのテーマについて考えさせる本25冊が紹介されています。 刊行誌「考…

アガサ・クリスティ『春にして君を離れ』

人生の折に触れて読み返したい小説のひとつです。 一般書評でも、多くの読者が「人生のバイブル」とか「人生で何度も読み返す本」などと、自身の人生に影響があったことを強調していました。春にして君を離れ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)作者: アガサ・…

堀貞一郎『感動が人を動かすー東京ディズニーランドの成功を支えた名脇役たち』

ディズニーランド(リゾート)の経営に関しては多くの本が出版されていますが、ディズニーランドができるまでについては、ここまで当事者によってありのまま書かれたものは他にないのではないかと思います。オリエンタルランド取締役(当時)として東京ディ…

ジェンマ・E・ハリス『世界一ときめく質問、宇宙一やさしい答え』

子供は時に奇想天外な質問をしてくることがあります。 それは可愛らしいものだったり、笑ってしまうようなものだったり、そうかと思えば ものごとの本質を突くものだったり、、、。そんな子供たちからのあらゆる質問と、その道の専門家からの答えが紹介され…

まついのりこ『じゃあじゃあびりびり』

こちらも有名な、赤ちゃんから読んであげられるロングセラーの絵本です。じゃあじゃあびりびり (まついのりこのあかちゃんのほん)作者: まついのりこ出版社/メーカー: 偕成社発売日: 2001/08/01メディア: ボードブック購入: 10人 クリック: 84回この商品を含…

リチャード・ドーキンス『ドーキンス博士が教える「世界の秘密」』

あのドーキンス博士が、私たちの生きる世界の現象やその謎について子供に向けて話してくれます。 大人向けの著書は専門的で難解な内容も多いですが、なんだこんな易しい文章も書くんだこの人と、少し嬉しい発見でした。題材は例えば、宇宙の成り立ちから人類…

石田雅男『老いもまたよし』

私は今30代ですが、老後のことを考えさせてくれる本もたまに読みます。理由は主に、 ・老後の社会の見通しがつかず不安なため ・老後に向けて今からできることを探るため ・今現在「老後生活」を送っている人のことを知りたいための3つです。 石田雅男(著)『…

池川明『ママのおなかをえらんできたよ』

我が子を愛する多くの親はもちろん、予定外の妊娠をした女性までも感動したという声が多いそうです。 私も妊娠中に読みました。こども達の胎内記憶(母親のお腹の中にいたときの記憶)のエピソード集で、著者は産婦人科医です。 子供のエピソードに対して母…

武田砂鉄『コンプレックス文化論』(新刊)

何かしらコンプレックスを抱えている現代人は多いかと思いますが、実はそんなマイナス要素の「コンプレックス」が文化を作りだしているのではないか?という評論です。 評論といっても幻冬舎らしくフランクで、コンプレックスについてインタビューや文献研究…

秋に読みたい 重松清『季節風 秋』

秋と聞いて思い浮かべるものは何でしょうか。 「実り」でしょうか、それとも「哀愁」でしょうか。家族ものを書かせれば右に出るものなしの重松清さんの短編集『季節風 秋』には、その名の通り「秋」を題材にした12本のショートストーリーが綴られています。…

「にっぽんちず」絵本比較

幼児以上向けの地理関連絵本は複数出版されており、中でも日本地図は最近は以下の2冊が人気のようです。どちらを買い与えるか迷いましたが、結論を言うと『にっぽんちず絵本』にしました。もちろんどちらにも良さがあり、好みや使い方や目的によると思います…

かがくい ひろし『だるまさんが』

子供たちに大人気のこの絵本。 乳幼児向け絵本の紹介には必ずと言ってよいほど載っていますし、所有している もしくは持っていなくても読んだことのある方は多いのではないでしょうか。我が家の子供たちも大好きです。だるまさんが作者: かがくいひろし出版…

ティムール・ヴェルメシュ『帰ってきたヒトラー上・下』

あの歴史上の人物がもし現代に生きていたら、世の中はどうなっていただろう? そんなことを考えたことはありませんか。『帰ってきたヒトラー』は、ドイツの独裁者アドルフ・ヒトラーが現代に甦ったら?という風刺小説です。具体的な史実や記録を踏襲している…

ブライアン・L・ワイス『前世療法』

オカルトっぽいタイトルですが、れっきとした医学の一分野であり、誠実な医療評論だそうです。 生命起源の話の繋がりで知人に薦められて読みました。 とはいえ初版はだいぶ昔(1996年)です。精神医学博士である著者が、ある女性患者に退行療法を施す中で直面…

三浦しをん『舟を編む』

だいぶ前ですが、巷で話題になっていた小説を私も読んでみました。 これも実写ドラマ化したようですね。 何でもかんでも映像にしてしまうなんて実に勿体ないと思いませんか。 舟を編む (光文社文庫)作者: 三浦しをん出版社/メーカー: 光文社発売日: 2015/03/…

よこたきよし『あいうえおのえほん』

子供にどうやって平仮名の読みを覚えさせたか聞かれることが多いのですが、我が家ではこれを読んであげていました。長女が3歳のときに平仮名を読めるようになりたいと言い出し、買ってから一週間足らず(4~5日程度)で、50音をマスターした覚えがあります。別…

岡 南『天才と発達障害』

発達障害の方々は、非障害者と脳の使い方が異なるだけで 実はすごい能力をもっているのではないか?そんなことを昔から考えていました。 (健常者、障碍者という言葉はここでは使いません) そんなボンヤリとした考えのヒントになりそうな本を見つけたので、軽…

平山英三『おにぎり』

日本の伝統料理は数あれど、おにぎりほど私達の暮らしに馴染んだ手頃な主食はなかなか思い付きません。日本でのおにぎりの起源は、なんと弥生時代にまで遡るそうです。 「おむすびころりん」など昔話でも 山へしばかりに行く爺さんの必携帯食として登場しま…

平山和子『くだもの』

フルーツ好きな子はもちろんのこと、苦手な子にも読んであげたい果物の絵本です。何よりこの絵本は、果物の描写が素晴らしい。 単に写実的であるばかりでなく、果物の瑞々しさを見事にとらえていて、香りが漂ってくるようです。くだもの (幼児絵本シリーズ)…

下北半島一周。

してきました。